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SLII®有効活用法

『社員の生産性とエンゲージメントの向上の切り札』 ~世界中の企業が導入するSLII®~

2020年2月、働き方改革時代の人事戦略カンファレンス において、PFC代表の松村卓朗とのSLII®マスタートレーナーの齋藤正幸が「『社員の生産性とエンゲージメントの向上の切り札』~世界中の企業が導入するSLII®~」のテーマでお話をさせていただきました。
今回の記事ではその講演内容の要旨をお届けします。

  • 働き方改革に取り組む企業の現状
  • 改革の成果がなかなか出ない企業が注目すべきは「ソフト面」の改革
  • 働き方改革先進企業では、「目的」が極めて明確
  • 働き方改革には、マネジャーの「マネジメントスキルの強化」が必須
  • 日本電産が働き方改革の真の成果実現のために導入したSLⅡ
  • SLⅡ®とは
  • SLⅡ®導入企業の成果

働き方改革に取り組む企業の現状

まず、働き方改革に取り組む企業の現状を概観しておきたい。
2年前の講演のときに聞いたら、働き方改革に着手していない(から学びに来た)企業も少なくなかったが、今は特に大手企業では、何らかの取組みをしていない企業はもうほとんどないのではないかと思う。実際、グラフを見てみると、どのカテゴリーでも昨年、働き方改革に取り組む企業は増え、1000人以上の企業で75%となった。

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出所:https://www.nttdata-strategy.com/aboutus/newsrelease/190705/supplementing01.html#result

しかし、取り組めばいいというものではない。取り組むものの、なかなか思うように成果が出ないという企業、あるいは取り組めば取り組むほど弊害が生じるという企業も少なくないのではないか。ならば、働き方改革は次のフェーズに移行する必要があるのではないか、というのが我々の問題意識だ。

「働き方改革に取り組んでいる企業の+(プラス)の変化」というグラフを見てみると、確かに2018年と比して2019年では、「休暇は取りやすくなった」は増えている。しかしその一方で、「労働時間が減った」、「生産性が向上した」、「気持ちに余裕が生まれた」などは軒並み数字を減らしている。「(働き方改革には取り組むものの)+(プラス)の変化はない」も30%にのぼる。

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働き方改革によってむしろ「生産性低下」を招いたという話を耳にする。最近よく聞くのが、テレワークやリモートワーク導入後の不満だ。
ある会社では、これまで職場で仕事をしている時は、どんな仕事を何件どのくらいの時間でやるか、なんて聞かれたことがなかったのに、オリンピック対策のために強制的にテレワークすることになった瞬間、細かく勤務開始時間とやる内容を事前事後で報告することを義務付けられた。かえって生産性が落ちるし、面倒なのでテレワークする気がなくなり、会社に出てきていると言う。

改革の成果がなかなか出ない企業が注目すべきは「ソフト面」の改革

こうした企業で共通しているのは、ソフト面の改革の必要性の認識が欠けていることだ。
働き方改革も「改革」である以上、成果をあげるには改革の進め方に今一度立ち戻ることが有益だ。どのような改革であっても、私達が考える改革の進め方のカギは、「(主要)3分野に取り組む」ことだ。ハード面の改革(人事制度、労務規則、等)、プロセス面の改革(テクノロジー導入などによる、業務プロセス改革、等)、そして、ソフト面の改革(社員の意識、行動の変化、等)の3つの分野だ。

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働き方改革においても、うまく進んでいない組織では、ハード面やプロセス面の取り組みに終始し、ソフト面の取り組みをおろそかにしている場合が少なくない。
ここでは、働き方改革において、真の成果実現のために、多くの企業があらためて見直すとよいと思われる2つのカギを紹介したい。

働き方改革先進企業では、「目的」が極めて明確

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働き方改革の成果実現のカギの1つ目は、目的の再考(何のための働き方改革か?)だ。
働き方改革のWHYは大体次の5つに集約できると考えている。

私達が見る限り、とりわけ、働き方改革先進企業では、極めて明快な目的を示している。

  • 「イノベーションの創出を加速化させること」(リクルート)
  • (従業員が自分の)「生き方を決めること」(ユニリーバ・ジャパン)
  • 生産性倍増(日本電産)

焦点がしぼられていて、何もかもやろうとしていない。だからぶれないし、社員の混乱も招かない。
働き方改革について多くの企業が相談に訪れる、という企業で働く知人が嘆いていた。「WHYを聞いても明確に返ってこない。」
皆さんの企業での働き方改革のWHYは明確だろうか。

働き方改革には、マネジャーの「マネジメントスキルの強化」が必須

働き方改革の成果実現のカギの2つ目は、マネジャーの「マネジメントスキルの強化」だ。
働き方改革を進める上での懸念を聞くと、「マネジメント難度上昇への懸念」が上位に挙がる。他のもの(社外を含めた商習慣を変える難しさや、業務負荷増への懸念・反発、残業代減少への懸念・反発、など)には、対応を進めることができている企業が多いのではないかと思う。
しかし、「マネジメント難度上昇への懸念」へは、まだまだきちんと対応できていない、つまり、マネジメントスキル強化を図れていない企業は少なくないのではないか。
そもそも、ほとんどの企業は、マネジメントスキル強化の重要性をそこまで認識していない。
以前の講演でも、「働き方改革を真に成功させるために、“マネジメントスキル強化が必要”という視点は持っていなかった」と多くの人に言われた。しかし、働き方改革は、どんなにハードやプロセスの改革を進めても、特にマネジャーのマネジメントスキルが向上しないと、絶対に成果は出ない。現場のマネジャー一人ひとりのマネジメントが機能しないと、社員の生産性は上がらないし、早く帰れるようにもならないのだ。
実際問題、現場で最も苦しんでいるように見えるのが中間管理職だ。「メンバーに残業させてはいけない」しかし「質は落とすわけにはいかない」の板挟みになって、自分が一番忙しくなっているケースも散見される。
ただ、逆に考えれば、スキル向上で大きな成果も期待できる領域だとも言えよう。

日本電産が働き方改革の真の成果実現のために導入したSLⅡ®

では、マネジャー層に必要なのは、具体的にはどのようなマネジメントスキルなのだろうか。
部下が生産性高く作業し、残業もせずに質の高いアウトプットを生むには、まずもって、上司の指示の出し方がカギとなる。仕事の任せ方と言ってもよい。
また、どういう状況の部下には、どのようにどの程度支援するか、も重要なスキルとして身につける必要がある。指示と支援のバランスと言ってもよい。
しかし、多くのマネジャーは、こうしたことを十分に学んでおらず、スキルとして身につけていない。その結果、「丸投げ」か、あるいは「マイクロマネジメント」に陥ってしまっている。

果敢なM&Aなどにより業績を拡大させてきた日本電産株式会社も、本腰を入れて働き方改革に取り組んできた。30年以上、年に1日しか休まなかったあの永守さんが「働き方改革」を率先しているとのことで、世間からも大きな注目を浴びた。目標は、生産性を倍増し、「2020年度までに残業ゼロ実現」 すること。目標達成に向けて、業務プロセス改革などの取り組みに加え、重視しているのが、マネジャーのマネジメント力向上だ。
具体的には、マネジャー全員を対象に、SLII®をテコにしたマネジメント(指示と支援)力のスキル強化を図った。

SLII®とは

このSLII®を提供したのがPFCのブランチャード事業部だ。
そもそもSLⅡ®とは、ケン・ブランチャード博士が考案したリーダーシップモデルである。彼が創設したケン・ブランチャード社発で約世界80か国・20の言語に翻訳され世界で最も活用されているリーダーシップモデルである。
余談ではあるが、世界で1500万部以上出ている『1分間マネジャー』や、最近では星野リゾートの星野社長が「もっとも大切な教科書だ」と言っている『1分間エンパワーメント』の著者としてもケン・ブランチャード博士は知られている。
PFCは、そのケン・ブランチャード社のリーダーシップモデルを提供出来る、日本で唯一の販売代理をしている。
それでは、日本電産も導入したマネジメント力強化につながるSLⅡ®とは何か。ある業務や目標に関するメンバーの「状況(「技能」と「意欲」)」に応じて適切なリーダーシップ行動が行えるようになる為の具体的なフレームワークである。
組織における業務の成果に対してリーダーの影響力は10~20%に対して、メンバーの影響力は80~90%と大きく、成果の大きさはメンバーの活動に左右されることが分かっている。そして、メンバーの生産性の面で、マネジャーの立ち居振る舞いは大きく影響している。事実、非効果的なコミュニケーションや立ち居振る舞いをしているリーダーの配下にいるメンバーは、最も生産性の低いグループに属する傾向が非常に高いというデータがある。
また、ポジションパワーで人は自主的には動かない。やらされ感だけが醸成され、納得感が生まれなければエンゲージメントも高まらない。つまり、リーダーとメンバーとの間で効果的で、且つ、納得感のあるコミュニケーションを続けることが、生産性高く、エンゲージメントの高い職場への第一歩となる。だからこそ、SLⅡ®のフレームワークを通して、リーダーが必要なときに必要な指示と支援を職場でメンバーへ提供できるようになるHow Toを学ぶ事が重要になってくるのである。

SLⅡ®導入企業の成果

事実、SLII®を導入した企業からは下記のような声が寄せられている。

  • 導入して3か月後には、SLII®受講を受講した上司がもたらした部下の成果の向上度合いが23%向上した
  • 導入1年後には、エンゲージメントが向上し、その結果、離職率が64%低下。そして、売上も66%アップした
  • 導入後、上司のリーダーシップ発揮の効果性が14%向上。その結果、部下の目標理解度・納得度が18%向上し、部下の能力も6%向上した

もちろん、上述成果を出している企業は、研修を開催するだけでなく、研修後、浸透させるためのシクミやシカケを愚直に実行してきた結果でもある。しかし、その第一歩として、マネジメントスキルの強化に今一度目を向けてみてはどうだろうか。


働き方改革を確実に進めるためのスキル向上は、PFCとブランチャード事業部が大いにサポートできる分野です。ブランチャード事業部では定期的に説明会・体験会を開催しています。

詳しくはこちらをご覧ください。

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