あの『1分間マネジャー』が生まれ変わった:改定のポイントは?

ken読者の皆様の多くは、ケン・ブランチャード博士のことをご存知かと思います。彼が書いた「1分間」シリーズの書籍は世界中で累計2000万部以上販売されており、そのシリーズの中でも1982年発売の『1分間マネジャー』は世界の大ベストセラーとなりました。さらに、ブランチャード博士は、amazon.comにおいて世界中で25人しかいないベストセラー著者の殿堂入りを果たしています。  

『1分間マネジャー』は、なぜこれほどの多くの人に読まれているのでしょうか?筆者が考える理由は3つあります。まず1つは、物語仕立てになっていて読みやすいこと。2つ目に、根底にブランチャード博士の人材育成に関する確固たる信念や人間に対する深い愛情が感じられることです。そして3つ目は、部下の管理方法の秘訣をシンプルに3つにまとめたことです。その3つの秘訣とは、1分間目標設定、1分間称賛、1分間叱責というものでした。

manager_newそして、このたび、『1分間マネジャー』が『新1分間マネジャー』に生まれ変わりました。 新書ではどこがどのように改定されたのでしょうか?

主な改定のポイントは2つあります。

まず、物語全体を今の時代環境に合うように直したことです。以前の本は1982年に書かれたものですから、インターネットすらない時代でした。今回の本では、たとえばテクノロジーを使って世界各地のメンバーとコミュニケーションをとる様子が描かれたりしています。

次に、3つの秘訣のうちの3つ目である「1分間叱責」が、「1分間修正」に変わったことです。いずれの場合も、部下が間違った方向に行ったときにどのように正すかということですが、新書では、上司がいわゆる上から目線ではなく、部下と同じ目線で、軌道修正について話し合うようになっています。この改定の理由についてブランチャード博士は、「1980年代に比べ、今の時代はトップダウン式のリーダーシップがそぐわなくなってきており、部下とのパートナーシップがより重要になってきている」と述べています。また、「1分間目標設定」も、上司が一方的に目標を決めるのではなく、部下と共に決めていくような形に改定されています。

最後に、新刊の発行にあたっての、ブランチャード博士のコメントをご紹介しましょう。

「3つの秘訣が少し変更されましたが、それぞれが1分間程度で実践できるシンプルなものであることには変わりありません。また、どれだけテクノロジーが進化しようとも、リーダーが部下のために時間を捧げることの重要性には何ら変わりがないのです。」

是非、『新1分間マネジャー』をお読みいただいて、3つの秘訣を実践してみてください!