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ケン・ブランチャード社からの最新情報リーダーシップ・部下育成リモートワーク・研修

ハイブリッドで働くチームを効果的に管理するには

新型コロナの位置づけが5類感染症に変更される目前ですが、リモートワークと出社を組み合わせた「ハイブリッドワーク環境」は、すっかり定着した感があります。働き手にとっては歓迎すべきことかもしれませんが、マネジャーにとっては、チーム管理の複雑性が格段に増しています。ハイブリッドなチームを管理する上でマネジャーは何に気をつけるべきでしょうか。ケン・ブランチャード社のコンサルタントであり、リモートワークの専門家であるジョン・へスター氏に聞きました。 原文はこちら:Managing the Hybrid Work Experience (kenblanchard.com)
マネジャーは、まず、ハイブリッド環境がどのようなものになるのか、新しい規範はどうなるのかを明確に理解する必要があります。また、ハイブリッドワークを選択するという決断について慎重に検討すべきです。 完全なリモートワーク、もしくは最低でもハイブリッドな働き方を求める社員が増える中、私が支援しているクライアントでハイブリッドワークをきちんと実現できている企業は、働き方の計画の実行を各マネジャーの手に委ねています。 委ねられたマネジャーは、自分のチームメンバーに対して様々な問いを投げかける必要があります。 「この人の仕事は完全にリモートでできるのか、それとも現場での作業が必要なのか」 「彼らが好む働き方は何か」 「対面でやるべきチームの作業はどれか」 そして、マネジャーはチームメンバーと協力し、仕事の要件を見定め、全員にとって公平で公正な方法を編み出す必要があります。 避けたいのは、正当な理由なく、毎週特定の日数だけオフィスにいることを全員に強いることです。ハイブリッドな働き方は有効ですが、熟考が求められます。目的意識を持って、種々のことを決めていかなければなりません。 同時に、実験することを恐れてはいけません。ハイブリッドで働くチームをリードするには、「実験して学ぶ」という姿勢を持つことが大切です。もしうまくいったら、素晴らしいことですし、うまくいかなければ、修正するか、廃案にするかすればよい訳です。 ある私のクライアントは、毎週特定の日の午後に、全員がオンラインミーティングに参加し、カメラをオンにして、会話をする時間を設けているそうです。そこでは、皆が働いている中で自分も一緒に働いている感覚になります。間もなくすると、おしゃべりは盛り上がり、皆が考えやアイデアを共有したり、質問を投げかけたりするようになります。それがコラボレーションを促進するのです。 チームによっては、業務の性質上、毎朝15分間、オンラインのプラットフォームで集まり、一日の終わりにまた集まるといった方法が効果的かもしれません。 集まる日数を変えてみることを試してみるのもよいでしょう。しかし、その際、むやみやたらな変更と見えないよう、ある程度の構造があったほうがよいです。そして、目的を意識し、メンバーからの疑問や、時には反発に応じられる準備をしておくべきです。 複数の調査で、50%以上の回答者が「フルタイムで出社するように命じられたら、すぐに別の職を探し始める」と答えています。なぜ出社が重要なのか、仕事の成果にどう影響するのかを明確にし、メンバーらが納得できる説明をできるようにしておく必要があります。

コミュニティを形成する

また、仕事の内容や社員の勤続年数にも目を向けるようにしましょう。 例えば、2年がかりのプロジェクトが始まるとします。プロジェクトの開始時期には、プロジェクトの戦略を立案するだけでなく、人間関係を構築するためにも、ぜひ直接会って話をしたいものです。その後は、対面のミーティングは月に1〜2回、または四半期に1回程度になるでしょう。一般的には、四半期に一度顔を合わせるというのが、ちょうどいい頻度のようです。 自分が博士課程に在籍していた時のことですが、3年間のハイブリッド型コホート(クラス)を選びました。最初の3週間は、皆でキャンパスに集合しました。大学側は、この3週間で、科目を学習するだけでなく、私たち学生の間に絆を作ることを意図的に行ってくれました。その後、学生らは世界中に散らばりましたが、オンライン上では素晴らしい交流が続きました。が、3カ月を過ぎたあたりから、その絆は薄れ始めていました。 半年後に、学生たちはまた2週間集まって対面で学びました。その後も同様に、3年間のプログラ期間中、半年毎に2週間、共に過ごしました。個人的には、予算が許すなら、四半期に1回が良いと思います。もっとも、集まるのが1年に1回でも、健全で強固な文化を保っている組織もあります。 では、チームをリードするマネジャーにお勧めする習慣をいくつかご紹介しましょう。 ・明確な期待値を示す 相手に何を期待しているのかを明確にすること。ハイブリッド下では、職場で隣に座っている人を管理するとき以上に、管理を上手に行う必要があります。つまり、期待している仕事ぶりとは何か、良い仕事とは何かを定義することです。 それを単純な方法で行う場合もあります。エクセルのスプレッドシートに全員の目標やタスクを記入し、全員が互いの業務と進捗を確認できるようにするのです。そして、誰がいつまでに何に取り組むかを示し、毎週1行の最新情報を記入してもらいます。 自分の担当業務に責任をもってもらうことは大事ですが、そのためには、明確な期待値が示されなくては始まりません。仕事を定義できなければ、どうやって仕事を管理できるでしょうか。いつも言っていることですが、リモートチームを率いる際にやるべきことの多くは、対面のチームでやるべきことと変わりありませんが、リモート環境下ではより不可欠になります。 ・存在感を示し、関与する マネジャーであろうとチームメンバーであろうと、自身の存在感を示し、チームに関与している姿を見せる必要があります。たとえば、会議に参加するのはもちろんのこと、Microsoft TeamsやSlackなどのオンラインプラットフォームの投稿に積極的に注意を払うことを意味します。テクノロジーを活用しながら、自分の姿勢や意図、期待などを明確に伝える必要があるのです。 ・ツールやテクノロジーを使いこなす あらゆるデジタル技術を使いこなせるようになりましょう。Teamsが自社で使われているツールなら、Teamsミーティングの達人になり、Teamsミーティング内で利用できるすべてのツールやアプリを使いこなせるようになるべきです。そうすることでミーティングがとても有益になるよう工夫することができます。 ・会議の目的と議題を極端なまでに明確化する 会議は乱立しがちです。すべての会議には、明確な目的と議題があるべきです。会議は一方通行の情報提供でなく、参加型になるよう設計すべきです。もし、情報提供をしたいのなら、5分程度の動画にして、Teamsのサイトに掲載すれば済むでしょう。 ・コミュニティと信頼を育む 新型コロナのパンデミックによって、バーチャルワークは興味深い実験となりました。多くのチームにとって、バーチャルで共に働くことは予想以上に簡単だったようですが、それはコロナ以前にチームとしての人間関係や信頼感ができあがっていたからです。コロナ以降に結成されたチームには、そのような対面での経験の蓄積がないのだということを認識しておく必要があります。 ですから、チームに新しくメンバーが加わるときは、しばらくは、そのメンバーならびにチーム全員に出社してもらうことを勧めます。 ここでも、目的を明確にしましょう。たとえば、最初の1週間は、チームメンバーとチームの仕事について知ってもらうことを目的として、食事を共にするといったこと等です。コミュニティ形成は意図的に行うようにしましょう。 新型コロナ以前に行われていたオンラインミーティングのほとんどは、極めて事務的なやりとりでした。新型コロナで学んだことのひとつは、オンラインミーティングでもパーソナルな要素を取り入れるべきということでした。メンバー同士のつながりを保つためには、それを継続する必要があるのです。 ・メンバーのウェルビーイングを考える ハイブリッドな職場環境で働くと、仕事とプライベートの境界線があいまいになることがあります。マネジャーは、チームメンバーが心身ともに健康でいられるような手段を講じたほうがよいでしょう。定期的な休憩、セルフケアの実践、ワークライフバランスの維持などです。 ・機敏さと柔軟性を保つ 最後に、ハイブリッドワークを正しく使いこなす上で目指すべきことは、常に変化し続けるものであるという事実を受け入れましょう。そして、実験している間は、機敏で柔軟であり続けましょう。日々、人々はハイブリッドを違った角度から見ているものですから。

まとめ

効果的なコミュニケーション、柔軟な勤務形態、テクノロジーへの習熟、強力なリーダーシップ、各人のウェルビーイングとメンバー同士のコラボレーションを優先することで、組織とそのメンバーは、ハイブリッドワーク環境特有の課題と機会をうまく乗り切ることができるでしょう。
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