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エンパワーメント

エンパワーメントは「自由にやっていいよ!」と声をかけることではない

最近よく耳にする「エンパワーメント」。ビジネスにおけるエンパワーメントは、組織やチームの各メンバーが自ら判断し、行動し、仕事を進めることができる環境を提供する取り組みのことを意味します。では具体的にどうしたら実現できるのでしょうか?弊社ブランチャード事業部が監修した『社員の力で最高のをチームをつくる 1分間エンパワーメント』漫画版出版を記念して、書籍の内容もご紹介しながら、考えていきたいと思います。

「自由にやっていい」という指示を出すだけでいいのか?

まずは「エンパワーメントにむけていろいろやったがうまくいかなかった」という経営者に向けたこんな言葉をご紹介しましょう。

経営者には、社員にパワー(権限)を与え、「自由にやっていい」「君に任せた」と言いさえすれば、彼らは自主的に動き出すだろう、という考えの人もいます。これでは「自由にやっていい」という指示を出しているだけですから、従来の階層型組織のしていることと本質的には変わりません。社員はそもそも知識や経験、意欲といったパワーを持っているんです。エンパワーメントのテーマとは、いかにそれを解き放つか、なんです。「いかにすれば社員たち本来のパワーを開花させ、目標達成のために意欲的に発揮させられるか」という問いであり、旅なんです。(P31)

「組織と社員をエンパワーメントしよう!みんな自由にやっていいよ!」と口にするだけでは十分ではないのです。

「自分の仕事を自分で決めたい」という社員の夢は実現できる?

もちろん、ほとんどの従業員は、「自分の仕事は自分で決めたい」「自分がやりたいようにやりたい」と考えているはずです。しかし、一方で「できるかな?」「失敗したら困るな」という不安もあります。↓

問題は、社員にベストを尽くす意思や能力がないことではなく、ベストを尽くすことを怖がっていることなのです。ほとんどの組織は、社員を励まして正しい行動を促すのではなく、間違いを見つけて懲らしめることばかりに意識が向いています。
社員の力で最高のチームを作る〈新版〉1分間エンパワーメント』p.31

では、人が誰しも持っている「人の役に立つ喜びを味わいたい」という気持ちを生かし、エンパワーメントを実現するためにはどうしたらよいのでしょうか。

メンバー同士が引き立て合う場所をつくる

まず、エンパワーされた組織や従業員がどのような状態になるのかを、もうすこし考えてみましょう。従来型のピラミッド型の組織では常にトップの指示が必要でした。しかし、顧客の声や市場の変化を一番知っているのは現場にいる従業員です。現場の従業員が「今もっとも必要なものは何か?」を判断し、自ら動けるような仕組みが、組織を強くします。

(エンパワーメント組織では)経営者⇔管理職⇔現場の社員といった階層構造はなくなり、組織はフラットになります。社員一人ひとりは、自律したメンバーとして責任をもってコミュニケーションをし、情報を集め、判断し、行動します。成果を上げ、結果から学び、成長していきます。お互いの個性に応じた役割を担うため、やりがいを感じていて、「自分の仕事をしている」という気持ちが強くなります。(P38)

これはまさに「オーナーシップ」であり、経営者意識です。経営者は「好きにしていいよ!」と号令するのではなく、このような働き方が可能になるような仕組みを作り、教育を行わなければなりません。

管理・指導を手放し自律的に働く環境を与えることが秘訣

アメリカのトレーダー・ジョーズというスーパーマーケットチェーンでは、エンパワーメントに取り組んだ結果、8年間で売上が1店舗あたり年率10パーセント、店舗数がほぼ100%、総売上が500%以上アップしたそうです。

どんな取り組みを行ったのでしょうか。

(トレーダー・ジョーズでは)店員たちが自律的に行動できる業務範囲を広げ、責任を重くしたのです。当時のCEOジョン・シールズがエンパワーされた社員なくして店舗拡大の実現はないと語ったように、エンパワーメントとは、組織に関わるすべてのメンバーがエンパワーされてこそ成果をもたらします。(P43)

真のエンパワーメントを実現するために必要なのは①情報の共有、②自律的な働き方の促進、③セルフマネジメント・チームの構築という「3つの鍵」。書籍には、この3つの鍵についても詳しく述べられています。


『社員の力で最高のをチームをつくる 1分間エンパワーメント』漫画版出版を記念して、5つのツールからなる「エンパワーメント・スターターキット」を無料で差し上げています。経営者・人事担当者のみならず、管理職や主任クラスのビジネスリーダーの方にも是非、ご覧いただきたいキットになっています。
エンパワーメントな組織づくりに、是非ご活用ください。
ダウンロードはこちらから

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