
研修後2週間で、学びが失われる現場の共通点
多くの企業が、リーダー育成やマネジメント強化のために研修へ投資しています。しかし、実際には「研修は良かったけれど、職場で活かされていない」という声が後を絶ちません。 ブランチャード社の最高プロダクト責任者、ジェイ・キャンベル博士は、「研修が定着しないのは、受講者ではなく“環境”が原因である」と断言します。
本記事では、キャンベル博士へのインタビューをもとに、「研修が続かない本当の理由と行動変容を起こすための“定着戦略”」を紹介します。
なぜ研修内容は、職場で消えてしまうのか?
キャンベル博士によれば、研修が職場へ持ち帰られない理由は次の4つです。
1. 業務負荷
研修直後は意欲が高まっていても、職場に戻ると大量の依頼・締め切り・会議に飲み込まれます。学びを行動に移す「黄金の2週間」はすぐに失われてしまいます。
2. 職場の雑音(Distractions)
忙しい現場では注意が分断されやすく、新しい知識は埋もれがちです。
3. 上司からの混在したメッセージ
上司が研修内容を支持しない、または関心が薄いと、受講者は「あ、これは優先しなくていいんだ」と判断してしまいます。
4. 自信の欠如
慣れないスキルは実践するときにぎこちなく感じるため、多くの受講者が「元のやり方」に戻ってしまいます。これらが重なると、研修内容は徐々に薄れ、最終的には“なかったこと”になってしまうのです。
失われるものは「時間」だけではない
研修が定着しないと、次のような機会損失が生まれると博士は語ります。
- チームの成長機会が消える
- イノベーションの芽が育たない
- 研修への投資が回収されない
- 何より、受講者が持っていた“可能性” が失われる
本来であれば生まれていた改善やアイデアは、日の目を見ることなく消えてしまいます。
だから必要なのは「研修」ではなく「定着戦略」
博士は言います。 「研修を提供することは、戦いの半分にすぎません。
組織が持つべきは“定着のためのツールボックス”です。」
重要なのは、「自社の文化に合った複数の手法を組み合わせること」。定着に“一つの正解”はなく、適切な組み合わせを選ぶことで研修の効果が飛躍的に高まります。
SLII® の再設計——定着を前提にした学習デザイン
ブランチャードがSLII®を再設計する際、中心に置いたのは「どうすれば現場で持続させられるか」でした。 そのために導入されたのが、次のポイントです。
- 内省(Reflection)とメタ認知
学んだスキルの意味を、自分の仕事に結びつけて深く考える仕掛け。 - クラスと職場の“橋渡し”
研修で練習した会話やスキルを、そのまま職場に持ち帰れるよう構成。
机上の知識にしないための工夫です。 - モバイルアプリやチャットボットのサポート
研修後もリマインドやガイドが届き、学習の“補助輪”として機能します。
たった3つの”行動が続くリーダーの必須アクション”
キャンベル博士が推奨するのは、「SLII®を使い続けるための3ステップ」です。
1. 研修で準備した SLII® の会話を、実際にチームと行う
2. SLII® の共通言語をチームに教える(理解・責任が共有される)
3. 定期的な 1on1 を設定する(診断・傾聴・支援が自然に行われる)
この3つを実践するだけで、1か月後もスキルを使い続けている確率が劇的に高まると博士は語ります。
共通言語が「文化」をつくる
SLII®の核となるアイデアの一つが「共通のリーダーシップ言語」です。「私は今 D2 の状態です」「サポートが必要です」といった会話が生まれると、
・組織内での期待が明確になる
・誤解が減り、対話が深まる
・共通言語を知らない社員が興味を持ち、学びの輪が広がる
こうして“文化としてのリーダーシップ”が築かれます。
結論:研修は“つくるだけ”では意味がない
キャンベル博士は最後に、こう締めくくりました。 「研修だけでは仕事の半分です。定着がなければ、“サンドイッチを作っても誰も食べていない”のと同じです。」しかし同時に、博士は強調します。
自社に合う2〜3の定着手法を選び、すでに現場で使われている考え方や言語を活かせば、研修は確実に定着します。行動が変わる組織は、「研修後の戦い方」を知っています。
学びを「組織の力」に変えていくために
本記事で紹介したとおり、研修を本当の意味で“使える学び”に変えていくためには、研修そのものよりも 研修後の設計(定着戦略) が鍵を握ります。SLII® は、まさにこの“定着”を起点として設計されている非常に珍しいリーダーシップモデルです。
単なるマネジメント研修としてではなく、
・部下の成長を支援しながらパフォーマンスを高めたい
・組織文化に「共通言語」をつくりたい
・1on1 の質を高め、現場の対話を変えたい
・若手・中堅のリーダー層を底上げしたい
といった課題を抱える多くの企業で活用されています。 もしあなたの組織でも「研修が続かない」「育成が属人化している」「若手が育ちにくい」という課題があるのであれば、SLII® を体験することは非常に有益です。
「まずは、あなた自身が”定着するSLII®”を体験してみませんか?」
SLII® は「現場で使える」ことにフォーカスしたリーダーシップモデルです。SLII®研修は必ず大きな気づきと実践のヒントになるはずです。
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