
Z世代に響く関わり方とは?若手が自ら動き出す職場のつくり方
「最近の若手社員は指示待ちばかりで・・」
「どう関われば自発的に動いてくるのか分からない」
そんな声にお応えするべく、2025年5月、オンラインにて『若手社員の主体性を引き出す・セルフリーダーシップの育て方』をテーマに、「HRカンファレンス特別講演」に登壇しました。
若手社員の「主体性の芽」を引き出すセルフリーダーシップ
若手社員(Z世代)は、これまでの世代とは価値観も経験も大きく異なります。その背景を理解せずに従来の育成スタイルを押しつけるだけでは、若手は受け身になり、成長の機会を失ってしまいます。今回のセミナーでは、若手社員の内側にある「主体性の芽」をどう引き出し、セルフリーダーシップ*を育むかについて、6つのポイントに整理してお話ししました。
*セルフリーダーシップ=自分自身と組織(チーム)の目標達成に対して責任を持ち、より高い成果を上げるために自らやるべきことを見極め、行動すること
Z世代の“受け身”行動の背景とは?
Z世代の社員は、生まれたときからスマートフォンが当たり前。そして友人とのコミュニケーションは、SNSが主流。デジタルネイティブ、SNSネイティブという言葉があるように、社会人になってからSNSを活用し始めた世代とは明らかに行動習慣が異なります。
- 情報過多社会で育ったため、効率重視で「タイパ・コスパ」が当たり前になっています。 テンプレート(ひな形)を求めるのはその一例です
- SNS主体のコミュニケーションを取ってきたため、他人の目を強く意識し、炎上を避けて目立たない行動をとりがちです
- SNSでお勧め動画や広告に触れているため、情報の「個別化(パーソナライゼーション)」が常態化しています
結果、自分のことをよく見て欲しいと思いながらも、失敗を恐れ、あまり目立たないように行動するようになります。「言われて動く」のは、このような背景があります。
セルフリーダーシップを育むためには?
では、Z世代のセルフリーダーシップ、つまり「自ら考えて動く」を育むため何が必要なのでしょうか。次の3つのスキル(①~③)、3つのマインドセット(④~⑥)を活用することをおすすめします。

1. 目標の設定
まず、上司との対話を通じて、自身の目標やタスクを具体的かつ進捗管理可能な形で言語化して設定することが重要です。曖昧な目標ではなく、達成状況を可視化できる基準を設けることで、自律的な行動が促されます。
2. 診断
次に、各タスクにおいて自身のスキルや意欲を客観的に振り返ることが求められます。現時点での開発レベルや、必要な支援を見極めることで、的確な成長戦略を描くことが可能になります。
3. マッチング
目標達成の過程では、自身のニーズを上司や関係者などから支援を得ながら、主体的にアクションを取る姿勢が成果に直結します。
4. 積極的に行動する
すべての状況や情報が整うのを待つのではなく、不確実な中でも行動を起こすことが求められます。自ら働きかける姿勢が、組織の中での信頼構築や機会の創出につながります。
5. 思い込みの制約に疑問を持つ
目標に向かって前進できないときは、**自身の中にある無意識の制約(思い込み)**に目を向けましょう。それを言語化し、一歩踏み出すための行動に落とし込むことが、成長のブレイクスルーとなります。
6. パワーの要素を活性化させる
自身の強みや課題を定期的に整理し、ここであげた「6つのパワーの要素」を意識的に活用・強化することが重要です。これは、自己の能力を最大化するための重要な視点となります。
セルフリーダーシップ実践事例のご紹介
日立製作所の企業事例は、こちら からご覧ください。
参加者の声
セミナー後、参加者からは、以下のような声が多数寄せられました・・・
「若手との向き合い方のヒントが得られた」
「Z世代の背景理解と接し方の具体例が役立った」
「6つのポイントが実践的で、すぐに使える」
「上司と部下の考え方のギャップが整理された」
「指導のあり方を見直す機会になった」
最後に...若手が変わらないのではなく、関わり方を変える
今回のセミナーでは、あくまで若手社員の問題、と見るのではなく、私たちの関わり方を見直すことの重要性をお伝えしました。
特に、SLII®モデル を活用した「成長段階に応じた支援スタイルの使い分け」は、若手社員の求める「個別化(パーソナライゼーション)」にも合致する方法として有効です。
変化のカギは、相手ではなく「こちらの関わり方」次第。「若手の可能性を信じ、引き出す関わり方」をこれからも一緒に探求していきましょう!
本セミナーのアーカイブ視聴を希望される方、資料を希望される方はこちらからお申し込みください。
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安田太郎:ブランチャード・ジャパン マスタートレーナー/シニア・コンサルタント
株式会社ピープルフォーカス・コンサルティング(上海)董事長
国内外の企業で人事制度改革やM&A対応のコンサルティングを提供し、リーダーシップ開発や人事戦略構築を支援。現在、ブランチャード・ジャパンのシニア・コンサルタント兼PFC(上海)董事長として、経営会議ファシリテーションや国際プロジェクトにも注力
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