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SLII®導入企業事例リーダーシップ・部下育成

【事例紹介】日立製作所様 ~若手社員にこそ伝えたい、仕事を「自分事」にする力

ダイバーシティや更なるDX化、専門領域の高度化などに対応するために、「ジョブ型」人材マネジメントを導入する企業が増えている。その際に鍵となるのは、各メンバーが自律的な働き方=「セルフ・リーダーシップ」を身に着けること。特に、これから本格的に専門性を高めていく若い世代や、マネジメントを身に着けていく非管理職にとっては、この「セルフ・リーダーシップ」こそ、将来の働き方とその成果を左右する重要な要素になるといえるだろう。

「ジョブ型」の人材マネジメントを推進している株式会社日立製作所では、入社2年目を中心とした若手社員を対象に「C&M セルフ・リーダーシップ」プログラムを実施。このプログラムの導入を決定したポイントとその効果について、人財統括本部 デジタルシステム&サービス人事総務本部 タレントマネジメント部 タレントディベロップメントグループ部長代理の小野綾子様(以下敬称略)にお話を伺った。(取材・構成:石澤 寧)

注1:C&MはCollaborated & Moderatedの略で、ブランチャード社が開発した研修提供方式。数百人単位の規模でオンライン受講することができる。詳しくはこちらの記事をご参照ください。

「ジョブ型」以前に必要な「足元を固める」学び

ーー日立製作所様では、「ジョブ型」人材マネジメントを、管理職だけでなく一般社員にも広げる形で導入を進めているとうかがいました。若手社員については、どのようなことを重視して人材育成に取り組んでおられますか。

小野 ご指摘の通り、弊社では「ジョブ型」の人材マネジメントに全社的に取り組んでいまして、普段の仕事やキャリアにおける自律的な取り組みの大切さを、あらゆる階層に対して様々な角度から伝えています。
またその一方で、「ジョブ型」が定着してしっかりと機能するためには、ある程度の時間がかかる、とも考えています。特に若い世代についてはそうです。
若手社員については、「ジョブ型」で求められる役割と責任について伝えながら、自分の希望する部門や仕事により近づきやすくなるんだという”道”を見せることが大切だと考えています。そして、その”道”に進む第一歩は仕事の足元をしっかり固めることです。そのための一つが、「セルフ・リーダーシップ」を身に着けることだと思います。

ーー「セルフ・リーダーシップ」をテーマにした研修はほかにもありますが、C&Mセルフ・リーダーシッププログラムを選んだポイントはどんなところでしょうか?

小野 一方的にインプットをするのではなく、「コラボレーション&モデレート」=受講者同士が話し合い、学び合いながら、モデレーターが適切に促進する、という進め方が、弊社の考え方とマッチしていると考えました。自分で考えて自分で動いてみる、というのはとても大切なことですが、若手社員が普段の仕事の中だけでその姿勢を身に着けるのは、なかなか難しい面があります。

今回受講したのは、入社2年目の技術系の社員が中心なのですが、弊社では、新卒入社から2年間は研修員という扱いで、その2年間の終わりに自らの仕事をまとめて研修員論文を執筆し、発表します。今回のプログラムを実施したのは、入社2年目に入り、職場にも慣れてきた頃です。仕事が少しわかりかけてきた、という段階でしょうが、既に後輩も入社してきて、先輩としての役割も求められるようになる頃合いです。環境的にも、これまでよりも自律が求められるタイミングだったと思います。このプログラムは、受講者が主体となって実践的な内容に取り組む内容で、受け身ではなく自らが学ぶ仕組みになっていると感じ、若手社員がこの機会に「自分事」として捉える良いトレーニングになると考えて、導入を決めました。

数百人でも同時に学べる受け身で終わらせない仕組み

ーー他にも、導入のポイントとなった要素はありましたか?

小野 はい。大人数が同時に受講できる、という点も重視したポイントでした。弊社は大所帯なものですから、研修の対象者が数百人の規模になる場合があります。今回受講した社員も約400名で、この人数が2つのグルーブに分かれて受講しました。従来は30~40人程度に分かれて複数回実施しなくてはならなかったのですが、それが2つのまとまったグループで実施できたのは、非常に効率的だったと思います。また、オンラインで完結するというところも外せないポイントでした。コロナの流行はいったん落ち着いたとはいえ、完全に鎮静化したわけではありませんから、研修はオンラインを基本とする形が当面続くと思います。しかしだからといって、PCの前でただ講義を聴くだけでは参加意欲は高まりませんし、研修に集中できない社員もでてきてしまうでしょう。このプログラムは、オンラインでの自学自習だけでなく、受講者同士がやり取りしながら実践的な課題取り組み、それをインスパイアセッションで共有する、という組み立てになっていて、オンラインであっても能動的に取り組める点も決め手になりました。講義の中で出てくる課題も、「上司の協力を得てサーベイに答えてもらう」「上司と個別面談の機会を設ける」といった、仕事に直結する内容でしたから、自然な形で受講者の自主性を引き出すことができると考えました。

ーー運営面はいかがでしたか?

小野 運営はほぼお任せする形だったのですが、それでも安心でした。実施の際に多少のトラブルはありましたが、適切に対応して頂いたと思います。毎回のインスパイアセッションの後にはどんな様子だったかすぐに報告をいただきましたし、全体のプログラムの終了後にも、詳しいレポートがありました。ブランチャード・ジャパンさんは、弊社をはじめ、多くの企業で研修を実施しておられますから、安心して見ていることができました。

同世代の言葉や体験が若手の成長を促進する

ーー今回受講した若手社員の方々からは、どのような感想がありましたか。

小野 とても好評でした。「上司に積極的に聞きに行く姿勢が正しいと分かった」「自分の受ける指示や支援のレベルは、自分からの相談や交渉によって変えられるものだと気づいた」 といった感想がありました。次の行動につながる良い気づきがあったことがわかり、手応えを感じています。また、「同期の社員と一緒に取り組むことができて良かった」「他部署の同期とディスカッションして刺激をもらった」いった感想も多かったですね。普段は、それぞれが異なる事業部や部署で働いていますから、同期が一度に集まる機会というのはあまりありません。いつものOJTでは、自分の指導員や各職場単位の情報しか入ってきませんが、同じ世代で集まることで、より自分の身に迫る形で学ぶことができたのでないでしょうか。自分が言葉にできなくて、もやもやしていた課題を、ほかのメンバーが言語化してくれたり、同期の体験談を聞くことで、自分が抱えていた悩みの小ささに気づいたりする、といったことも、あったと思います。そうして自分の仕事を客観視する機会を作ることができたとしたら、とても良かったと思います。

ーー研修が同期同士の貴重な交流の機会にもなったのですね。

小野 ええ。リアル会場の研修とは違って、終わった後にみんなで飲み会に行く、という形にはならなかったでしょうが、それでもグループワークなどで、普段にはない交流ができたと思います。もしかしたら、今回のプログラムをきっかけに知り合った社員同士が、やがて一緒に仕事をする機会もあるかもしれません。そうした機会をつくるという意味でも、実施して良かったなと考えています。

ハードルを上げすぎずしっかりと寄り添う

ーー最近の新入社員について感じておられことはありますか。

小野 私は毎年新入社員の教育を担当しているのですが、最近入社する世代は、総じて優秀な半面、「目立つタイプ」というのは少なくなったと感じます。以前は、良くも悪くも枠からはみ出すような若手社員がちらほらいたものですが、最近は、目立つよりも「みんなと同じでいたい」という感覚の人が多いように思います。心配なことはこまめに聞いてきますから決して消極的だというわけではないと思いますが……。これは弊社だけでなく、いまの若者全般にある程度共通する傾向ではないかと思います。要因は様々あるのでしょうが、その一つにはやはり、コロナ禍の影響もあるのではないでしょうか。以前なら、オフィスで上司や先輩に囲まれながら仕事をすることで、自分がどこでどう振舞ったらいいか、様々なコミュニケーションの取り方を自然と学ぶことができたと思うのですが、リモートワークでそれは難しいでしょうから。

ーーそうした「目立つことを避けたい」という傾向のある若手社員たちに対して、どうアプローチしていくべきでしょうか。

小野 人材育成に携わる側としては、そうした世代の傾向を考慮して、いわゆる「心理的安全性」を保ちながら、彼ら・彼女らが自発性を発揮しやすいように導いていくことが必要ではないでしょうか。これまで以上に新しいものが求められている時代ですから、いまの若者たちに対して高い期待を寄せたくなるわけですが、普段若い社員たちと接していて思うのは、あまりハードルを上げすぎてもいけない、ということです。もちろん優秀な人はいますが、自信が持てずに不安を抱えている人も多いのだと思います。まずはそこにしっかりと寄り添うことが必要だと感じています。そして、足りない部分を補えるように、しっかりと伝えていく。そうやってこちらがきちんと働きかけていけば、若い世代はどんどん吸収して成長していきます。そこは今の若手社員も、以前とまったく変わらないと思います。

若手時代の学びの経験がその人の将来を左右する

ーー「タイパ」という言葉が流行語になりましたが、「かけた時間に対して目に見える形の成果を求める」という傾向が、世の中全体で強まっているように思います。研修についても、同じような傾向があるのではないかと思いますが、いかが思われますか。

小野 そうですね。しかし、特に若手社員の教育については、やってすぐに効果が見えない場合も多いというのが実感です。しかし、その効果は後から必ず効いてきますから、若い世代に対して学ぶ機会を作ることは、絶対に必要だと考えています。今回のプログラムでも、受講者の中には、初めは受け身の姿勢だった人も多かったかもしれません。しかし、終了後のアンケートに寄せられた感想の多くはとても肯定的で、「自分事」として取り組めた様子がよくわかりました。こうした体験を積み重ねていくことが、とても大切だと思っています。早い段階で、このような「学びの素晴らしさ」を体験しておくことは、これから将来にわたる「学びの姿勢」に対して、必ずプラスになると信じています。そうした点からも、若手社員の段階から自らが考えて行動する「セルフ・リーダーシップ」について学ぶ機会を設けることは、とても大切だと思います。


今回、導入事例でご紹介しました「C&M セルフ・リーダーシップ」の有料体験会(短縮版)は、7月と9月に開催いたします。詳しくはこちらの詳細をご参照ください。

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