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SLII®導入企業事例SLII®有効活用法リーダーシップ・部下育成

【事例紹介】TKC様に学ぶ!「“やりっぱなし研修”からの脱却」— SLII®の学びを行動と成果に

「研修を実施しても、現場で使われない」
「学びが行動に変わらない」――そんな悩みはありませんか?

人事・教育責任者なら、一度は突き当たる壁ではないでしょうか? 今回の事例セミナーでは、ブランチャード博士の研究が示す定着を阻む3つの理由を手がかりに、SLII®を軸とした「研修での学びを行動と成果につなげる設計」を、株式会社TKC 執行役員 人事教育本部長 田中 康義氏とともに深掘りしました。


なぜ「わかる」が「できる」にならないのか?

ポイントは3つです:
1. 情報が多すぎると忘却が習慣化してしまう
2. 関心のあることしか受け取らず、関心の低い情報は残らない(ネガティブフィルター)
3. 適切なフォローがなければ、今までの行動習慣に簡単に戻ってしまう

だからこそ、学ぶテーマを絞り、受講者と上長双方の関心を高め、研修後の実践を支える仕組みまでを最初から設計することが必要です。 この3つを貫くことが、研修転移(研修での学びを、現場での新たな行動習慣にし、継続して成果につなげること)への架け橋になります。

TKCに学ぶ「定着する仕組み」のつくり方

田中様からは、研修導入の入り口から出口までの一貫した設計思想を語っていただきました。最初から全社で始めず、効果検証がしやすい一部門で小さくスタート。効果測定を行い、良い評判が社内で共有されたタイミングで、全社展開へと踏み出しました。

ちょうどその時期にコロナ禍が重なりましたが、迷わずオンライン化へ舵を切り、関心が高くなった空気を逃さず一気に実施。機を逃さない意思決定が、現場の熱量をそのまま定着へ変える推進力になったとのことでした。 研修の本質も「覚えさせる」ではなく「使えるようにする」に置かれています。受講前は動画などで関心を高め、当日は様々な演習を通じてSLII®の理解を深め、研修後に実践が回り始めるよう具体策までを設計。良い体験で終わらせず、行動習慣になるところまで見届ける——その覚悟が、現場での再現性を高めています。

そして、SLII®を各種研修の「核」に据え、他の研修プログラムでもSLII®を共通言語として活用することで、個々の研修が点で終わらず、“線”でつながるように設計、運営されています。その結果、上司とメンバーの対話、評価、1on1、日常のフィードバックで、SLII®が現場で実践され続ける状態を実現しています。

セミナーでご紹介いただいたフォローアップの仕組みですが、その中の一つをご紹介します。それが定期的に開催される55分間の「実践勉強会」です。職種や役割を超えて都合の良い枠に参加でき、参加前には“まずやってから来る”が暗黙のルール。面談でSLII®を使った経験を持ち寄り、横のつながりの中で語り合い、工夫を持ち帰り、また実践する。こういったフォローアップの仕組みが、現場での実践を強化しています。 さらに、メンバーと上長が連携するための「仕掛け」も秀逸でした。メンバー向け勉強会の最後に「上司へどんな面談を申し込むか?いつ実施するか?」をその場で決めてもらいます。また同時期に開催される上長向け勉強会では「この時期にメンバーから面談の申し込みが来ます」と告知。準備された対話が予定通りに実現するため、学びを常に実践につなげる行動が定着しやすくなっています

人材育成の主役は誰か?

田中氏は、「人の育成」の役割も明快に位置づけます。主役は現場リーダーであり、人事は場と仕組みを整える“伴走者”。研修中は上長からのメールや電話を控えてもらい、集中して学べる環境を担保する──そんな細部まで、現場が主体的に関わる前提を作り込んでいます。

そして学びを持続させる“担い手の循環”も設計済み。任期で人事に合流する支店長・所長クラスを認定講師として育成し、現場へ戻ってからも新任者研修や勉強会を担ってもらう。人が入れ替わっても質が落ちないどころか、経験豊富なリーダーが媒介となって、学びが人から人へ広がっていく仕組みです。

最後に、これからのテーマとして田中氏が強調したのは、「成果を上げる人」だけでなく「魅力的な人」を育てる視点。フォロワーシップを早い段階から鍛え、リーダーの土台を前倒しでつくる。スキルの習得を越え、組織の“人の魅力”そのものを育てていく——TKCの挑戦は、次のフェーズへと進んでいます。

参加者の声

「ちょうど悩んでいたテーマだったので大変勉強になりました」
「実例を交えてお伺いをさせていただいた。とても理解しやすかった」
「SLII®習得後の社内への浸透と深め方、また継続性について方法論がよく理解できた」
「フォローアップとして、短時間の勉強会の開催がとても参考になった」
「SLII®のフレームワークを人材育成に活用する組織文化の涵養について理解できた」
「効果測定の考え方が肚落ちした」 「同じ悩みを抱える他社の取り組みに励まされた」

——など、多くの声が寄せられました。

「わかる」を「できる」につなげるには(研修転移のポイント)

今回あらためて確信したのは、

  • テーマを絞る(SLII®)
  • 関心を高める(事前課題、上長巻き込み)
  • 実践に向けたフォローアップ(効果測定、定期的な実践勉強会)

この三位一体の設計が、まるでスクラムのように噛み合うとき、組織に“共通言語”が生まれ、「わかる」が「できる」になる、つまり学んだことが、新しい行動習慣になっていく、ということです。

情報過多に陥らず、学び同士がつながって理解が深まり、現場での再現性が格段に上がります。勉強会は実践経験を共有する“語りの場”となり、横のつながりを育て、日常で相談し合える関係性づくりにも効果を発揮しています。そして、人事は“主役”ではなく現場リーダーの伴走者。主体は常に現場にある——この前提を丁寧に設計へ織り込むことが、定着と成果を加速させます。

主体は常に現場にある、この前提を設計に織り込むことが、定着と成果を加速させます。ブランチャード・ジャパンは、皆さまの状況に合わせて、確実に機能する研修設計と運用を支援しています。

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株式会社TKC 執行役員 人事教育本部長 田中 康義氏
プロフィール: 大学を卒業後、TKCに入社。入社以来、一貫してシステム・コンサルティング・グループで会計事務所の顧客支援に携わる。その後、地域の事業所の責任者を歴任。首都圏全域の責任者を経験後、本社営業本部の責任者を経て現職。採用・教育・人事を一手に担う人事教育部の責任者として、研修制度、評価制度等のさらなる進化を目指す。


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