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優秀な社員と豊富な資金があっても組織は勝てない-成功のカギはTEAM OF TEAMS

2016年に話題を呼んだ本に『TEAM OF TEAMS (チーム・オブ・チームズ)』があります。アメリカ陸軍の特任部隊の司令官としてテロ組織と戦ったスタンリー・マクリスタル大将らが書いた本です。もう、お読みになりましたでしょうか。

この特任部隊は、莫大な予算の元に開発された最先端の武器や装備を持ち、徹底的に訓練された精鋭の兵士たちによって構成されていたのにも関わらず、武器も装備も貧弱で、寄せ集め集団に過ぎなかったアルカイダのテロ組織になかなか勝つことができませんでした。

追い詰められたマクリスタル司令官らは、様々な考察や検証を重ねた結果、自分たちのマネジメントのやり方は今の時代に通用せず、むしろアルカイダのやり方のほうが、21世紀には力を発揮するのではないかという結論に至ったのです。
この本では、軍隊のみならず、企業でも学校でも官僚組織でも、あらゆる組織で同様のことが起きていると指摘しています。そもそも、いわゆるピラミッド組織は、19世紀末にフレデリック・テイラーが提唱した科学的で要素還元主義的なマネジメント手法を元にしたものであり、100年以上もたった21世紀にはもはや機能しないといいます。

では、どうすればいいのか。ピラミッド組織を壊し、信頼と共通の目的でつながったメンバーから成る小規模のチームに大幅な権限移譲をする。そして、組織は、そういったチームがネットワークでつながる生命体のような存在となるべきと著者らは説きます。本のタイトルであるTeam of Teams、つまりチームの集合体としてのチームこそが、勝てる組織の姿だというわけです。

もっとも、こうしたことは、インターネットの到来と共にベンチャー企業が市場を席巻するようになった現象の説明として、ビジネスの分野では言い古されているといえるでしょう。しかし、この本の興味深いところは、長い歴史と巨大な規模を持った21世紀型組織の最たる例といえる米軍において、マネジメントのやり方を根本的に作り替えた実体験の話であるということです。したがって、日本の伝統的な大企業をどう改革するかに関して示唆に富んでいます。

さて、21世紀の組織がチームの集合体でなくてはならないとすると、今日の企業におけるチームは実際のところ、うまく運営されているのかが気になります。

ケン・ブランチャード社が行った調査*では、チーム運営に関する様々な課題が浮き彫りになりました。特に、「チームに参画しているときにイライラすることは何か?」という質問に対して、次のような結果が出ました。

                イライラすること                                              はいと答えた人の割合
ミーティングの時間が有効に使われていない                            54%
メンバー間のコミュニケーションがうまくいかない               50%
責任の所在がはっきりしない                                                        47%
与えられた課題を完遂しない人がいる                                       44%
ミーティングの事前準備が不足している                                   41%
精いっぱい頑張る姿勢が見られない人がいる                           41%
チームと作業を構造化するプロセスがない                               39%
明確な目的が見えない                                                                    33%
作業量に偏りがある                                                                        32%
メンバー間の信頼関係が確立されていない                               29%
「本業」の時間が取られてしまう                                               27%
チームを立ち上げ走らせるのに時間がかかる                          26%

これでは、せっかくチームをたくさん立ち上げても、テロ組織はおろか、市場での競争にも勝てません。

このようなチーム運営の課題に対し、ケン・ブランチャード社は、2つの提言をしています。1つは、チームリーダーのコミュニケーションスキルを上げることです。チームミーティングにおいて自分が話すべきことと耳を傾けることのバランスが取れなくてはなりません。もう1つは、チームチャーターを作り活用することです。良いチームチャーターには、チームの目的や目標、各メンバーの役割はお互いの期待などがまとまって記されています。チームチャーターを参考に、各メンバー自身が目指したいことも考えてもらうことで、メンバーのエンゲージメントが上がるでしょう。

ただ、こうしたことは、頭ではわかっていても、実践するのは容易ではありません。そこで、トレーニングを受けて、基本的な「型」を身に着け、練習を重ねることが大事です。しかし、同調査では、チームリーダーのうち42%の人が、チームの立ち上げ方について研修を受けたことが全くない、あるいはほとんどないということが判明しました。

まだ研修や教育を受けていない方は、一度、ブランチャードの「チーム・リーダーシップ研修」を受講してみて、『TEAM OF TEAMS』で強調されていた「信頼と共通の目的でつながったメンバーから成るチーム」のコツやスキルを習得してみませんか?

チーム・リーダーシップ研修の概要はこちら
チーム・リーダーシップ研修の公開講座のご案内はこちら

*2006年に行われたアンケート調査で、人事部、研修担当者、現場リーダーら962名が回答した

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