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リーダーシップ・部下育成

SLII®の実践でシニア社員が蘇った!

松岡

ピープルフォーカス・コンサルティングのコンサルタントでブランチャード・ジャパン認定SLII®講師を務める松岡未季です。先日、SLII®を受講していただいたある方の後日談がとても印象深かったので、ここにご紹介いたします。

営業革新で妨げになるシニア社員?

ある消費財を製造販売するA社では、事業を取り巻く環境が大きく変わり、A社の営業員たちは営業活動の改革を余儀なくされていました。具体的には、従来の取引先を回るのではなく、幅広い業態の事業主に対して、自社の商品を取り扱ってもらうよう働きかけなくてはならなくなったのです。

A社のある営業所の所長だったS氏は、部下数名を指導する立場でしたが、部下の中には自分より年上のシニア社員のM氏が含まれていました。M氏が若かりし頃は、輝かしい営業成績を残したこともありましたが、当時の営業スタイルは、今に通用するものではなく、M氏は最近仕事に対して投げやりになっているように見えます。そんなM氏に対し、S所長は「Mさんが定年退職するまでのあと数年間の辛抱だ。とにかく、放っておこう」と考え、若手の部下だけを熱心に指導していました。

改心したS所長

201906

そのS所長、SLII®を受講したことをきっかけに、部下に対する見方を根本から変えたといいます。SLII®では、マネージャーが、メンバーに与えるタスクに対するメンバーの開発レベルを見極め、それに適したリーダーシップスタイルを発揮することを学びます。大前提として、開発レベルの見極めは、「ひと」に対してではなく、「タスクに対する習熟度」で見るということが大切です。「新入社員」とか「3年目」とか「シニア」というだけの基準で部下を判断しないということなのです。つまり、新入社員でもすべてのタスクに対して初心者であるとは限らず、ベテラン社員だからといってもすべてのタスクに対して習熟度が高いわけではありません。ベテラン社員だったとしても、初めてのタスクであれば、開発レベルはD1またはD2であり、マネージャーは手をかけて指導してあげる必要があることをS所長は学びました。
 
さらに、「タスクに対する習熟度」を見極めるためには、そのタスクを遂行するのに、どんな知識やスキルや経験が必要かを分析する必要があります。そのタスクそのものの経験がなくとも、他のタスクの経験から培った「既得能力」を活かせることがあることもSLII®で学びました。
すると、S所長は、M氏が過去に得意先に営業していたときに発揮していたスキル ―例えば顧客との信頼関係構築力や地域での人脈など― の多くは、新しく異業態の取引先を開拓するのに使えるのではないか、すなわちM氏には活用しうる「既得能力」を多く有しているのではないかということに気づきました。

ワン・オン・ワン(one-on-one)で思いを伝える

部下との1対1の対話(いわゆるone-on-one)の大切さとやり方もSLII®の中で学んだS所長は、研修受講後にさっそくM氏との定期的対話を始めました。そこで、研修での気づきや、営業革新においてM氏が成功できるよう上司としてサポートしていきたいことなどを伝えました。新しい営業のやり方において、M氏が持っている既得能力と新たに身につけなければならないスキルは何かということについて話し合いました。やがて、M氏はみるみると元気を取り戻し、活躍するようになりました。
S所長は、「本来は成果を出せる潜在能力を持ったMさんの芽を摘んでしまっていたのは自分だった」と痛感したと言います。

しかし、研修で学んだ一般論を、自分の状況に当てはめ、自らを省みて、行動を変えるS所長は、本当に素晴らしく、だからこそM氏も自己改革に取り組む勇気をもらえたのではないかと私、松岡は考えています。

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