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ケン・ブランチャード社からの最新情報リーダーシップ・部下育成

在宅勤務解除と言う変化を導く ~LPTC研修を活用した企業事例

10月1日、東京にようやく緊急事態宣言でもまん延防止等重点措置でもない日常が戻ってきました。在宅勤務を解除しつつある企業も少なくないことでしょう。今回は、ブランチャードのプログラムを活用しながら全員出社への移行をスムーズに実現させた米国のグローバル・インダストリアル社の事例をご紹介します。新しい生活様式に基づいた働き方をリードする方法の参考にしていただければと思います。

※グローバル・インダストリアル社が活用したブランチャードの研修プログラムは、「変革に向けて人々を導く」(英文:Leading People Through Change®)という名称のもので、在宅勤務解除に限らず、業務プロセス改革・新しい基幹システムの導入・M&Aなどあらゆる組織変革に適応できるプログラムです。


グローバル・インダストリアル社:従業員を最優先した変革

世界中の働く人々がかつてない不確実性や変化に直面しています。グローバル・インダストリアル社の営業チームも例外ではありませんでした。在宅勤務にも慣れてきた従業員たちは、再び出社を要請されるという事態に直面していたのです。
「パンデミックの混乱に加え、オフィスに戻ることに対して、社員がさまざまな不安や懸念を感じていることはわかっていました。そうした社員たちを現場の長が上手にサポートするためのツールを会社側が用意する必要性を感じました」と営業推進担当ディレクターのジョー・ダン氏は言います。

この組織の管理職たちは、すでにブランチャードのSLII®コーチング・エッセンシャルズのスキルを学び実践していました。メンバーの目標を設定し、チームのパフォーマンスを管理し、メンバーと効果的な会話をもつことの重要性を理解していたのです。また、営業の役割に必要なコンピテンシーをSLII®の各開発レベルにマッピングし、営業プロセスと企業文化の中でSLII®用語を使うことが浸透していました。

「SLII®で始動していたこの習慣を継続するために、私たちのパートナーであるケン・ブランチャード社に、在宅勤務解除への不安の対処という課題に対してどのような支援ができるかを尋ねました」とダン氏は言います。その答えが、「変革に向けて人々を導く」(Leading People Through Change®)研修プログラムの導入でした。

ブランチャード社が独自に開発したこのプログラムは、30年にわたる研究と実装に基づいており、人々を変革に関与させる方法を教えるものです。このプログラムで学ぶ「関与型のアプローチ」を使うと、変化の影響を受けるすべての人がプロセスに影響を与えることができるのです。

本研修の主担当であるグローバル・インダストリアル社のキム・リドウスキー氏は、営業職からシニア・セールス・ラーニング・スペシャリストの営業推進部のポジションに変わったばかりでした。「営業推進という新しい職務に就いたときは、まだセールスの現場にも携わっていたので、ジョー、そしてブランチャード社の人々と一緒に取り組めることを有難く思っていました」とリドウスキー氏は振り返ります。「ブランチャード・チームは、わずか3週間で、「変革に向けて人々を導く」プログラムの内容を、当社のプロセスや文化に合わせてカスタマイズしてくれました。そして、1週間に4つのセッションという構成で、バーチャル環境でトレーニングを実施しました。ブランチャード社のファシリテーターとプロデューサーがセッションを担当してくれるという利点もありました」とリドウスキー氏は説明します。プロデューサーが研修にアテンドすることで、ファシリテーターはコンテンツに集中し、プロデューサーは技術面を管理することができます。「学習者はバーチャル配信にあまり慣れていなかったので、我々の研修チームがバーチャル配信をサポートしました。結果、コンテンツと配信の両方に対する学者者の評価は非常に高いものになりました」とダン氏は言います。

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「変革に向けて人々を導く」プログラムでは、参加者は、予測可能な5つの「懸念段階」と、変革の取り組みの中で人々が経験する3つの「態度」について学びます。また、各人がどの「懸念段階」にいるかを特定し、その人が「変化を支持するか/抵抗するか/あるいはどちらともいえないか」を判断するのに役立つ「高関与戦略」も紹介されます。

このプログラムの優れた点は、5つの各「懸念段階」において、リーダーが部下とその懸念について有意義な会話をもつ方法を教えていることです。「私たちの場合、出社回帰を発表しても、その決定に賛同してくれる人がいなければ、うまくいかないと思いました。リーダーが自分のチームメンバーと話して懸念事項を明らかにし、それに対処できるスキルを身につけることが、実現に向けた唯一の方法でした」とダン氏は説明します。

また、リドウスキー氏は、単に研修を提供し、あとは現場に任せるというだけでは不十分と考えていました。「そこで、毎週、営業リーダーたちとQ&Aセッションを行い、研修で学んだ会話方法を実践してみてどうだったかというフィードバックをもらっています。営業リーダーたちは、うまくいっている点や助けが必要な点を報告するだけでなく、自分のチームから得られた情報も共有してくれます。おかげで、私たちは、問題の本質に迫り、それに対処することができました。リアルタイムでリアルの問題に取り組めるのです。いかにして営業担当者の声を拾い上げるかという組織課題はもともとあったのですが、このアプローチによってそれが可能になりました。これは透明性の高いプロセスであり、従業員が安心して仕事に戻ることを助けてくれます」。

「変革に向けて人々を導く」プログラムでは、必要な変化とその理由を明確にするための「ギャップ・ステートメント」という文章を作成します。自宅で仕事をしていた3カ月間、営業担当者らはテクノロジーの問題に悪戦苦闘したり、「必要なものがなかなか入手できない」「コミュニケーションやコラボレーションがうまくできない」といったことに悩まされたりしてきました。オフィスに戻ることでこれらの問題は解決されますが、やはり全体的には未知への恐れの感情を多くの人が抱いていました。「ギャップ・ステートメント」には、テクノロジーや仕事の問題が解消するという点だけでなく、安全性、対人関係、個人的な問題についても具体的に言及されています。「働き方の変更の理由とメリットを詳細に説明するギャップ・ステートメントを手に入れたことで、営業リーダーたちは一貫性をもって、チームとコミュニケーションをすることができました。」とリドウスキー氏は振り返ります。

結果

グローバル・インダストリアル社でのオフィスへの復帰は順調に進んでいます。「当初予想していた以上に、出社することを従業員に受け入れてもらえました」とダン氏は言います。「一人ひとりのニーズに耳を傾けることで、抵抗する人の数を最小限に抑えることができました。『変革にむけて人々を導く』プログラムのコンテンツは非常にタイムリーで、従業員の悩みを個人的な側面から直接聞き出すスキルを受講者に与えてくれました。変化の状況に正面から向き合うことで、コミュニケーションや計画を完全に透明化し、当社の価値観を実現することができまました」とリドウスキー氏は語ります。

「私たちは、必要な限り、フォローアップセッションを続けます。パンデミックによる変化への対応はまだ終わりではなく、当分続くことでしょう。今後、社員がどのような事態に遭遇しても、私たちは支援していきます」。

今回の取り組みが成功した要因は、グローバル・インダストリアル社の経営陣がこの研修にどう向き合ったかにあります。「グローバル・インダストリアル社では、サーバントリーダーシップというスタイルが奨励されているので、今回の問題でも、先手を打って、あらゆる人々が会社の最終目標を理解し、参画できるよう整える必要があると考えました」とダン氏は言います。

「何らかの変化に直面している人にアドバイスするならば、従業員は『居て当たり前の存在』と思ってはいけないということです。変革を成功させるのも失敗させるのも彼らなのです。変革を発表して、変革の行く先には良いことがあると伝え、最善を望むだけでは足りません。社員それぞれの状況に合わせて、最後までサポートするのです。そこで手を抜いてはならないのです。

これまで多くの研修を行ってきましたが、結果はまちまちでした。しかし、今回は、このプログラムに参加した全員が、学んだスキルをチームですぐに実践できると喜んでいます。また、営業リーダーたちは、会社側が彼らを手助けしたことを評価し、彼ら自身が今度はメンバーを手助けしようと思ってくれています」とダン氏は結びました。


記事の英語原文はこちら

この夏に本プログラムの日本語版(「変革に向けて人々を導く」)を発売開始しております。9月に日本で行われた第1回目の公開講座を担当したブランチャード・ジャパンの安田太郎は、次のように語っています。

「ブランチャード社の長年の研究に基づく本プログラムでは、社員一人ひとりに自分事として変革に取り組んでもらうための、リーダーが持つべき視点、フレームワーク、具体的なスキルを学ぶことができます。先日の公開講座でも、受講者の納得感、満足度が非常に高く、『今日から実践したい』、『社内の変革に携わる人たちの共通言語にしたい』等の声をいただきました。」

プログラムに関するお問い合わせは、ブランチャード・ジャパン(info@blanchardjapan.jp)までどうぞ。

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