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リーダーシップ・部下育成リモートワーク・研修

職場に心理的安全性をもたらす7つの戦術

職場における「心理的安全性」は、従業員の生産性や創造性を高め、組織の業績向上にも影響を与えることが明らかになっています。そして、多くのマネジャーや人事部の方たちが、心理的安全性のある職場づくりに取り組むようになりました。そこで、今回は、ケン・ブランチャード社でプロフェッショナルサービス兼「信頼構築サービス」分野を担当するランディ・コンリー氏(バイス・プレジデント)が解き明かす、心理的安全性の高い職場づくりの記事をご紹介いたします。


最近、心理的安全性についての記事を多く見かけるようになりましたが、それには理由があります。心理的安全性は、従業員が意欲的に仕事に取り組み、生産性を高めるために不可欠なものです。ダイナミックで活気のある職場の土台になるのです。
ところが、ほとんどの企業では、驚くほどにこの心理的安全性が損なわれています。

心理的安全性とは、人々が「罰せられるかもしれない」などと心配することなく、自分の意見を述べたり、リスクをとって挑戦したり、誤りを認めたりすることが自由にできる職場に存在するものです。パンデミックによって、心理的安全性の注目度がよりいっそう高まりました。この2,3年で、多くの人が心理的に打ちのめされ、傷ついたと感じています。従業員はみな生身の人間であり、安心できる職場環境を必要としているのです。

試された信頼関係

このパンデミックによって、上下間の信頼関係が大いに試されることとなりました。まさに一夜にして在宅勤務が余儀なくされたので、上司は、部下が在宅でも真摯に働くであろうことを信じるしかなくなったのです。

その結果どうなったか、皆さんもご存じのとおりです。リモートワークは概ね大成功を収めました。多くの従業員が、出社していたときよりも生産的になっていることが証明されたのです。そして、2020年3月以前の働き方がいかに生産性の低いものであったか、私たちは思い知ることとなりました。

ポスト・コロナと心理的安全性

何かが欠けているとき、それを味わって初めて、今までそれが欠けていたことに気づくことがあります。この2年間で、多くの人が自由と自律の味を覚えました。企業は、従業員が在宅にて監督されていなくてともきちんと働くであろうことを信頼するしかなく、従業員は存分に自分の頭脳を仕事に生かすことができるようになりました。今、徐々に出社回帰の動きがありますが、人々がこれをあまり歓迎していないのは無理もありません。元の状態に戻りたくないと考えているのです。

この教訓は何でしょうか。人々は、近くに上司がいて、自分がちゃんと仕事をしているかどうかを確認されることのない世界を経験し、それを享受したのです。信頼関係を試す壮大な実験とも言えるこの出来事は、心理的安全性の重要性を示すこととなりました。

多くの人は、心理的に安全でない環境に戻ることに不安を覚えています。4人に3人が職場で心理的安全性を感じていないと言われているのです。「どうすれば心理的安全性の高い環境をつくれるか」はすべてのリーダーが取り組むべき命題となりました。

心理的に安全な職場のための7つの鍵

ケン・ブランチャード博士と私は、新刊『Simple Truths of Leadership: 52 Ways to Be a Servant Leader and Build Trust.』の中で、心理的に安全な環境を作るための方法を紹介しています。ここでは、望む文化を職場に創り出すために使える戦術をいくつか紹介します。

恐れをなくす:恐れは信頼の敵です。信頼の欠如は、心理的な安全性を破壊します。人は安全で信頼できる環境でこそ成長するものです。
人々は、アイデアや真実の認識を共有したり、ミスを犯したりしても、非難されることはないと承知している必要があります。リーダーとしてのあなたの仕事は、この真理を実践することです。

頻繁に褒める:残念なことに、私たちは、生まれつき、ネガティブなことにばかり目を向けるようにできているようです。その傾向があまりに強いので、1回ネガティブな指摘をする毎に、5回賞賛するくらいの心構えが必要です。例えば、人は、Eメールを受け取ったとき、ひたすら悪い方に解釈しようとする傾向があります。そこで、リーダーたるもの、部下を頻繁に褒め、コミュニケーションをポジティブに保つことが大切です。

自分をさらけ出す:人はちょっとしたやりとりから、リーダーを一面的に描いてしまいがちです。「あのリーダーは先日、私に対して短気だった。なので、きっと、どんな状況でも思いやりのない人なんだ」といった具合です。このような心理的な思い込みを克服するには、あなたが彼らと同じように多面的な人間であることを相手に理解してもらう必要があります。

必ずしも、深い個人的な情報を共有しろと言っているのではありません。しかし、自分の価値観、自分にとって何が重要か、何がモチベーションになるかなどを話すことは、まったくもって適切なことです。そうすることで、部下との信頼関係を築くことができます。信頼関係は心理的安全性にとって不可欠なものです。

明確な境界線を作る:職場の全員が、何が許され、何が許されないかを知っている必要があります。全員が同じルールに従うことに同意しなければなりません。地位や年功序列を理由に、フリーパスを得られるようなことがあってはいけません。誰もが敬意と良識をもって互いに接しなければなりません。

公平な競争の場を保つ:何かの対立が生じた場合、リーダーは真っ先に自分を擁護してくれるはずと思っている人がいます。しかし、そうなれば、その他のメンバーは間違いを犯すことや、一線を越えることを恐れるようになります。心理的に安全な職場には、お気に入りもなければ、スケープゴート(身代わりとなる犠牲者)もいてはなりません。

好奇心を許す:あなたの職場では、人々は新しいことに挑戦し、異質なアイデアを探求し、別の意見を表明するのに十分な安心感を覚えていますか?それとも、ネガティブな結果を恐れて、尻込みしていますか?恐怖を感じると、人々のエンゲージメントは激減します。しかし、好奇心を持つことをあなたが許可することで、人々が反動を恐れることなく色々と試すことができる、オープンで安全な空間を提供できます。人々が失敗したときは、それを学習の機会と捉えるようにしましょう。

従業員の立場に立って考えてみるのもよいでしょう。厳しい言葉を浴びせかけられることを覚悟する代わりに、率直で励みになるようなフィードバックを受けることができたら、従業員は職場についてどう感じるでしょうか?

期待することを明確にする:多くの人が自分に何が期待されているのかがわからないという調査結果があります。これは間違いや誤解の元であり、心理的な安全性を損ないます。これを回避できる簡単な方法があります。部下に自分がやるべきことを書き出してもらい、同じように、上司もその部下がやるべきと考えることを書き出すのです。それらを比べてみてください。2つのリストの違いに驚かれることでしょう。

また、この方法は、部下の優先順位とあなたの優先順位を一致させるためにも使えます。部下に最も重要だと思う仕事を書き出してもらい、自分も同じように書き出します。そして、ノートを見比べて、議論するのです。このようなちょっとした試みで、多くの混乱が解消できることがあります。

心理的安全性を確保するための特効薬はありません。リーダーの意図的な努力が必要であり、信頼の絆を結ぶには時間がかかります。しかし、その見返りは大きいのです。

社員の可能性を引き出しましょう。
社員が安心して職場に復帰できるようにしましょう。
そして、「大離職」を「大再生」に転換させましょう!

原文はこちら
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