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エンパワーメント

なぜいまエンパワーメントなのか? ~エンパワーメント組織は、一人の天才を超える~

エンパワーメントとデリゲーション(権限移譲)は違う

「エンパワーメント」という言葉、最近よく耳にしますね。でも、その意味を正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。

日本語では「権限移譲」と訳されることが多いですが、実は少し違います。「権限移譲」は英語で「デリゲーション(delegation)」といいます。一方、エンパワーメント(empowerment)は「相手にパワーを与える」という意味を持っています。

さらに、エンパワーメント理論を提唱したブランチャード博士によれば、この考え方は「パワーを与える」だけではありません。人はそもそも、知識や経験、意欲という形で「十分なパワー」を持っています。そのため、環境が整えば自分の力で大きな成果を出せる存在だというのです。

エンパワーメントを促進する際には、一人ひとりの持つ力を最大限に引き出し、それを組織の課題解決や成果に結びつける「環境づくり」が欠かせません。

なぜいまエンパワーメントが重要なのか?

いま、どの業界でもビジネス環境が大きく変化しています。過去に成功した手法が未来でも通用するとは限らない、そんな時代です。

このような状況下で、組織に求められるのは次の4つの要素です:

 1. 顧客第一、品質第一
 2. 高収益性と低コスト構造
 3. 市場の変化への迅速かつ柔軟な対応
 4. 継続的なイノベーション

まず、1と2がなければ事業の基盤が成り立ちません。しかし、それだけでは競争の 激しい市場で生き残るには十分ではありません。「3. 市場の変化への迅速かつ柔軟な対応」と「4. 継続的なイノベーション」が欠かせないのです。

技術の進歩等によって思いもかけない競合が出現することがこれからも増えるでしょう。それによって変化する市場で、悠長な意思決定や実行は命取りになります。迅速な意思決定、実行が欠かせないのです。まさに「3. 市場の変化に迅速かつ柔軟な対応」が組織に求められます。

さらに、その中で、競争優位を確保するには、常に学び、進歩し続ける組織である必要があります。昨日よりも今日、今日よりも明日と、一人ひとりが学び、成長する。まさに「4. 継続的なイノベーション」が求められます。

この3と4は、経営トップや各事業部のリーダーだけの力では不十分です。社員一人ひとりが、自ら考え、意思決定し、行動することではじめて実現します。だからこそ、エンパワーメントの重要性が増しているのです。

エンパワーメントされた組織が4つの要素を実現する

エンパワーメントされた組織は、以下の4つを実現します:

1. 顧客第一、品質第一で信頼を獲得
2. 高収益性と低コスト構造で事業基盤を強化
3. 市場の変化に迅速かつ柔軟に対応
4. 継続的なイノベーション

社員一人ひとりが自ら考え、行動する環境を整えることで、ますます変化が激しくなる中でも個々の力を最大限に引き出し、強い組織づくりにつなげることが可能となります。エンパワーメント組織は一人の天才を超えるのです。

次回は、エンパワーメント組織のつくり方についてお話します。


安田 太郎
ブランチャード・ジャパン
マスタートレーナー/シニア・コンサルタント/PFC(上海) 董事長

大手小売業で採用・教育・海外人事を担当後、中国で人事コンサルタントとして活躍。現在はブランチャード・ジャパンのマスタートレーナー、シニア・コンサルタント及びPFC(上海)の董事長として、リーダーシップ開発プログラムを提供。

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