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リーダーシップ・部下育成

上司との1on1を実のあるものにするために

近年、上司と部下が1対1で話し合う場である「1on1(ワンオンワン)」が注目を浴びています。定期的な1on1ミーティングの実施を奨励する企業も増え、どのようなテーマでどのように話し合えばいいのか悩む上司のために、様々な研修プログラムや解説書も出てきています。しかし、ブランチャード社は、1on1は部下が主導すべきものだと以前から提唱してきました。1on1は部下のために行うもの、だからこそ部下自身がセルフ・リーダーシップを発揮して、自分に必要なものを獲得する機会とすべきなのです。

では、具体的に1on1で部下はどうすべきなのでしょうか。

そのための6つの方法を以下にご紹介します。

原文はこちら


上司との1on1は、あなたのキャリアの将来を方向付けるチャンスとなり得ます。自分が成功するのに必要な指示やサポートを得るための重要な時間と位置付けましょう。ここに、上司との面談の時間を充実させる6つの方法をご紹介します。

1. 「私に必要なのは・・・」という文章を使って、助けやリソースを求める

人間は生物学的に助け合うようにできています。同時に、人は忙しいものです。このことは、あなたの上司とどう関係すると思いますか?

あなたの上司はあなたの成功を助けたいと思っていると仮定しましょう。また、上司も忙しく、あなたがしていることをすべて覚えているわけではないとも仮定しましょう。さらには、あなたの業務内容は、週ごとに変わるので、あなたが必要とすることも週ごとに変わるとも仮定しましょう。これらを踏まえると、あなたの上司が、すべての瞬間にあなたが何を必要としているかを把握している可能性は極めて低いと言えます。ですから、上司との1on1では「私に必要なのは」から始まる文章を使いましょう。そうすれば、上司から効果的かつ有意義な助けを得ることができるようになります。

以下は「私に必要なのは」から始まる文章の例です。

  • 「 私に必要なのは、次回のミーティングで、作業をこなすためのリソースについて10分間議論する時間です。」
  • 「私に必要なのは、一緒に作業してくれるこの分野の専門家です。この分野について理解を深めたいからです。」
  • 「私に必要なのは、この業務の遂行に使う新しいソフトウェアを学ぶことです。」

「私に必要なのは」で始まる文章は短く、簡潔にしましょう。そうすることで相手は理解しやすくなります。上司は、あなたが前進するためにどう助けてあげればよいかがわかります。さらに良いことに、相手は、あなたが自分の仕事に熱心であることにも気付くことでしょう。そして、あなたと上司とのパートナーシップは深まるでしょう。

2. 3つの選択肢を提示して決断を求める

軍隊において、一兵卒が出したアイデアが、組織の上層部にまで伝わっていくようにするためにはどうしたらよいかについて、研究が行われたことがあります。研究で発見されたことのひとつめは、アイデアを明確に60秒以内で提示するのが有効だということでした。ふたつめの発見は、上司は1つの選択肢ではなく3つの選択肢を提示された方が受け入れやすいということでした。それはなぜでしょうか。

選択肢を1つだけ提示すると、誰かがそれを拒否する可能性があります。そうではなく、私たちの生理学的特徴を利用するのです。脳は選択肢を探すようにできており、3つの選択肢があることを好みます。上司に3つの選択肢を提示し、自分が良いと思う選択肢について説得力のあるロジックでそれを説明すれば、90%の確率で受け入れられます。

このやり方にはもうひとつ利点があります。3つの選択肢を提示することで、あなたがその問題について慎重に考えたことが示されます。あなたはそれぞれの選択肢の長所と短所を検討したことがわかります。上層部は、あなたの思慮深さを評価し、感謝するでしょう。

3. 目標の明確化と優先順位付けを求める

我々が管理職とその直属の部下を対象とした研修を行ってきた中で明らかになった残念な事実をお伝えしましょう。あなたの目標の上位5つを、上司とあなたが別々に書き出してみたとして、二人が書いたものが一致する確率はわずか20%しかないのです。この悲惨な数値は、上司と部下の間の誤解につながります。さらに、新しいプロジェクトの開始などで、目標がよく変更されるという事実も踏まえると、上司とあなたの間にはほぼ確実にズレが生じています。

苦労しているのはあなただけではありません。約41%の人が、自分の目標が不明確だと感じています。この問題に対処するためには、定期的に上司と目標を確認し、優先順位を一致させることです。そうすれば、あなたの努力はもっと報われることでしょう。

4. 自分の業務(タスク)に関する権限を求める

権限を持てるかどうかは、その業務やタスクをあなたがどの程度うまくこなせるかにかかっています。言い換えれば、権限を得る前に自分が有能であることを証明しなければなりません。ですから、権限を求める前に、その業務において自分がどの程度の能力があるのかを自問してください。もしあなたがその業務の初心者であったり、その役割に就いて日が浅かったりするのであれば、あまり権限を与えてもらえないことが一般的です。

まずは上司の信頼を得なければなりません。一方、もしあなたがその業務の専門家なのであれば、より多くの権限を求めて然るべきです。ブランチャード社では、「権限とは、20パーセントは与えられもので、80パーセントは獲得するものだ」と言っています。もし自分がその業務を上手にこなせると確信しているのであれば、業務に関する権限を獲得しに出るほうがよいでしょう。

5. 自分の仕事ぶりについてフィードバックを求める

上司からフィードバックをもらうことは、自分の仕事ぶりが適切であるかどうかを確認するのに実に良い方法です。しかし、残念ながら、週に1度の頻度で有意義なフィードバックを受けていると考えている従業員は28%に過ぎません。残りの72%は、ほとんどフィードバックを受けていないと答えています。1on1のミーティングを充実させるには、自分からフィードバックを求めることも重要です。上司に定期的に、自分の仕事ぶりについての評価を求め、どうすれば改善できるかを尋ねましょう。そうすれば、あなたがプロとしての成長に関心があり、上司の意見を重視していることを、上司に示すことにもなります。

また、多くのリーダーがフィードバックを与えることに苦労していることも知っておいてください。たとえトレーニングを受けていても、フィードバックするのは気が重いものなのです。しかし、フィードバックを求めることで、あなたは強力なセルフリーダーになれるのです。そうすることで、あなたの成長は促進され、上司との関係も深まります。

6. 成長の機会を求める

自分の成長について上司と会話をしたい場合は、能動的に動くべきです。「この話題を出してもよいのだ」と自分自身によく言い聞かせましょう。上司の中には、部下を失うことを恐れて、その話題に触れない人もいます。上司がそのような人である場合は、あなたより経験があり、あなたの成長に関心を持ってくれるメンターを職場に見つけましょう。

以上が、 次回の上司との1on1ミーティングをより実りあるものにする6つの方法です。これらを実践すれば、職場がより居やすい場所になることでしょう。また、上司との関係性も向上するでしょう。そして何よりも、自分の目標を達成することができるようになるでしょう。

参考文献:
https://en.wikipedia.org/wiki/Completed_staff_work
https://bestlifeonline.com/stressed-at-work-study/
https://www.zippia.com/advice/employee-feedback-statistics/


1on1ミーティングを実りあるものにするために必要なセルフ・リーダーシップを身に付けましょう。

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