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リーダーシップ・部下育成リモートワーク・研修時事情報

コロナ禍で求められるセルフ・リーダーシップ

COVID-19(新型コロナウィルス)のパンデミックによって、私たちは、仕事の仕方も生活の在り方も大きな変化を余儀なくされました。そして、これからは国民が「新しい生活様式」を身につけていくことが要請されたわけですが、今まで通りに自由に行動できないことを歯がゆく感じていたり、悶々としたりしている方も少なくないでしょう。

ケン・ブランチャード社の人気プログラムである「セルフ・リーダーシップ」研修の共同開発者であり、モチベーション論の第一人者であるスーザン・ファウラー博士は、このような状況下では、セルフ・コントロール感を取り戻すことが大切であり、「セルフ・リーダーシップ」研修のフレームワークを活用することを勧めています。

以下に、そのファウラー博士によるブログ記事の和訳を掲載いたします。


「私たちは急激な変化に見舞われ、自分の行動がコントロールされるようになりました。『〇〇をしてはならない』『△△をせねばならない』を言い渡される毎日です。『オフィスに行ってはいけない』『外出してはならない』『故郷に戻ってはいけない』『マスクを着用しなければならない』『室内にいなければならない』『消毒しなければいけない』等々。コントロールの喪失は、私たちが何をするにも必要なポジティブなエネルギーをすり減らし、ひいては無力感につながる恐れがあると感じています。」

こうした事態に対し、ファウラーは「セルフ・リーダーシップ」プログラムが教える3つの原則を実践することが役立つと提唱します。

1つ目の原則は、「思い込みの制約に疑問を持つ」です。 

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「『思い込みの制約に疑問を持つ』とは、あなたが思い込んでいることについて考え直すことを意味します。たとえば、あなたは在宅勤務について何らかの思い込みがあるかもしれません。『仕事をするスペースがない』、『規律が保てない』、『色々と邪魔が入り集中できない』といった声をよく聞きます。そうした思い込みに疑問を投げかけてみると、自分にはいくつかの選択肢があることに気付き、自分の人生を自分でコントロールし始めることができるのです」。

「自宅で仕事をするスペースを見つけることが問題だとしましょう。ルームメイトと一緒に小さなアパートに住んでいる人が当てはまるかもしれません。正にこのような状況に直面した、ある若い女性が、その思い込みの制約に疑問を投げかけたことを私に話してくれました。」

「彼女は、寝室の片隅で、コンピューターと椅子がかろうじて置けるスペースを仕事場に作り変えました。そして、彼女はクリエイティビティを発揮しました。オンライン会議のカメラで背景が素敵に見えるように壁の写真を並べ替えました。キャンドルも置きました。彼女は自分をとても誇りに思えてきました。そしてこう言ったのです。『オフィスに戻った後でも、このスペースはそのままにしておくかもしれない』。このスペースは彼女にとってワクワクする場になったのです。彼女の話は、思い込みの制約に疑問を持つことで、自分にはできることが沢山あることを思い出させてくれます。」

「自宅で子供がそばにいながら仕事をすることは、新しい現実です。そこにも、思い込みの制約に囚われる可能性があります。ほとんどの親は苦労していると言いますが、子供たちが、自分の親が仕事をしている様を目の当たりにし、それは尊敬すべきことだと学んでいくのは本当に良いことだと言う親御さんもいます。子供たちに境界の意義を教える機会でもあります。子供は自由を求めますが、それは一定の境界線内でなければなりません。このようにして、否定的な思い込みを転換させていく方法は興味深くないでしょうか。」

セルフ・リーダーシップの2番目の原則は、「パワーの要素の活性化」です。

「自分ではコントロールできない状況に陥ったとき、普通、人は軌道修正するためのパワーを職位上で持つ人を探そうとします。また、あなたが何かを改善できる方法を思いついたとしても、自分はその方法を推奨する立場にいないと考えるのが普通です。しかし、役割や肩書きに付随する仕事上の権限だけがパワーだと思い込まないでください。自分自身にもパワーがあることに気付かないのは、最大なる『思い込みによる制約』なのです。職位上のパワーはパワーの一種に過ぎません。活性化できるパワーの要素はその他に4つもあるのです。

  • 個人のパワー:対人スキルとリーダーシップスキルを持っている
  • タスクのパワー:タスクまたは特定の仕事を管理することから生まれる
  • 関係のパワー:誰かとつながっている
  • 知識のパワー:関連性のある経験や専門知識を持っている
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現在において、在宅でITをセットアップするスキルを持っている人、Zoomにアクセスする方法を知っている人、または電話をかけて助けを求めることができる誰かがいる人などがどれほど有力であるかを考えてみてください。パワーとは何かという概念を広げれば、私たちは皆、様々なパワーを持っています。パワーの唯一の利点は、『より良いことをする能力』であると言われています。今こそ、自分や他の人にとってより良いことをするために、あなたのパワーを活性化するときです。」

セルフ・リーダーシップの3つ目の原則は、積極的に行動することです。

「科学によると、1日に2、3回だけでも積極的に行動すれば、間違いなく、ストレスが軽減され、ポジティブなエネルギーを得られるそうです」。

「このところよく私がお薦めしているのが、1日を積極的に計画することです。計画したことがすべてその通りにいかないかもしれませんが、1日の流れを計画することは心理面で重要なことです。起床時間、朝食、および作業開始時間も計画に入れてください。仕事時間の計画だけでなく、子供と一緒に過ごす時間も含めます。1日全体を計画するのです。ただし、自由時間といった余裕も含めるようにしてください。モチベーションに関する研究によると、人は選択できるという感覚を持つことが必要です。すべてが決まっていて、分刻みに規定されていると、選択の感覚が損なわれてしまいます。1日と1週間を積極的に計画することと、選択の感覚を維持できるよう自由時間を忘れずに設けておくこととのバランスを見つけてください。」

ファウラーはこの困難な時期に励ましの言葉をかけます。

「今こそ、セルフ・リーダーシップ能力を育むときです。思い込みの制約に疑問を持ち、パワーの要素を活性化させ、積極的に行動します。セルフ・リーダーシップは、私たち全員が経験しているコントロールの喪失感に対する強力な処方箋だと思います。」

本記事の原文はこちら
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