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リーダーシップ・部下育成

部下にフィードバックしたら逆襲された!~マドレーヌに聞いてみよう

前々回に掲載した「怖い上司」の対処法~マドレーヌに聞いてみよう」を覚えていらっしゃいますか?
経験豊富なコーチであるケン・ブランチャード社のマドレーヌが、読者から寄せられたお悩み相談に対して、助言をするコーナーです。好評でしたので、今日はもう1つご紹介いたします。部下にフィードバックしたら逆襲されてしまってうろたえるマネジャーからの相談です。マドレーヌはどんなアドバイスをするのでしょう?!

親愛なるマドレーヌ

私は、新興IT企業でマネジャー職を務めています。人を管理する経験は豊富にあるほうですが、今まで経験したことがない局面に戸惑っています。

最近入社してきたLKという社員にフィードバックをしたときのことです。ある作業について順を追った指示を出しておいたのですが、彼女は完全に指示から外れたやり方をしてしまいました。そこで私は彼女にごく普通のシンプルなフィードバックを与えたのです。作業の具体的なやり方を改めて示し、「これらの理由から、あなたがやった方法ではなく、この方法で実行してください」という説明をしただけです。彼女は素直に受け止めていたように見えました。

翌日、人事部から電話がありました。LKが「上司はマイクロマネジメント(細かすぎる管理監督)をする意地悪な人だ」と私について不満を口にしていたと言うのです。彼女が人事部に訴えた私とのやりとりは、実際とは全く別ものになっていました。私はSLII®(注)を好んで活用しています。そのセオリーどおり、彼女が入社してきたときに、彼女が仕事のコツをつかむまでの最初の数か月間は多くの具体的指示を与え、必要に応じて軌道修正をすると彼女に予告していました。また、何か困ったことがあれば、すぐに私に連絡するようにとはっきり伝えていました。

なのに、彼女は、私に連絡してくる代わりに直接人事部に行ったことに私はただ驚いています。今時の若者はこういうものですか?私はこれまで部下からは感謝はされど、苦情など受けことは一度もありませんでした。彼女はどこかおかしいのではないか、あるいは彼女は私に対して何かの恨みを持っているのではないかと感じています。私はいったい、どうすればいいでしょう?どうにか彼女に働きかけたところで、また何をされるかわからないと思うと、うろたえるばかりです。

うろたえる者より

注:SLII®を御存じない方のために。SLII®はケン・ブランチャード社の代表的なリーダーシップモデルであり、メンバーが特定の目標またはタスクを適切に達成するために必要とする「指示」と「支援」の組み合わせをマネジャーが与えるというモデルです。詳しくはこちら

「うろたえる者」さん

あらまあ!これではうろたえるのも無理ありませんね。フィードバックの「いろは」についてここで説明はしません。十分ご存じのようですから。しかし、どういうわけか、物事は悪い方向に行ってしまったのですね。

いつも私は相談を受けると、「こういう状況に至るまで、あなたはどのような役割を果たしたか?」を尋ねるようにしています。ある出来事について、自分とは全く異なる受けとめ方を相手がした場合、相手がおかしいと考えるのは簡単です。そして、そうなのかもしれません。
メンタルヘルスの問題を抱えている人が職場に大混乱を引き起こしてしまうことは実際にあります。私自身、何度かそのような状況を目の前で見たことがあります。しかし、最初からそれを前提に考えるのは得策ではありません。
思い込みの罠にはまるのは危険です。LKには意地悪な叔母がいて、あなたの喋り方はそっくりと感じたのかもしれません。そして、その叔母のせいで痛い目にあったことが頭をよぎったのかもしれません。あるいは、LKは家庭で問題を抱えていて、夜よく眠れず、あなたとの会話がきっかけで抱え込んでいたものが爆発してしまったのかもしれないし、彼女にとってその日がたまたま最悪の日だったのかもしれません。何らかの兆候をあなたが見逃した可能性はないでしょうか?フィードバックする前に「LKさん、今、〇〇の作業の進め方について話し合ってもよいですか」と質問しましたか?私自身、時々、自分が作業に集中し過ぎるあまり、部下の軌道修正をするべきタイミングかどうかの様子も見極めずに、注意し始めてしまうことがあります。

与えられたフィードバックを受け入れるのにとても苦労する人がいることも事実です。完璧主義者であり、初めから物事すべてを完璧に行うことを期待している人々は、フィードバックをもらって心底苦しんでしまうことがあります。学校ではいつもA(優)の成績をとっていた若者は、会社に入って、フィードバックをされると、それが何であれ自分への個人攻撃だと捉えてしまう人もいます。部下の軌道修正をするときは、批判の対象は人ではなく行動にあることを確認してください。たとえば、「あなたは正確さが欠ける」ではなく、「このやり方では不正確さが生じる可能性がある」というように。  

何かをする前に、人事部の方にもう一度連絡して、LKの苦情が何であったか、そしてそれに対してどうすべきと人事部が考えているかを正確に把握したほうがよいでしょう。一方、長い目で見たとき、関係性の亀裂を修復するためには、辛くともLKと会話をする必要があります。

私はケン・ブランチャード社の「Conversational Capacity」プログラム*のファンです。このプログラムの元となっているCraig Weber著の書籍も参照するとよいでしょう。その核となる考え方とは、「率直さ」と「探求心」のバランスをとるのが大事ということです。そして、権力をより多く持っている人(この場合だとあなたです)は、相手との会話において、安心安全な環境を作らなければならないことを覚えておいてください。

LKとの会話の準備にあたっては、自己弁護したい気持ちや自分の思い込みを横に置くようにしましょう。会話のために、二人だけで話せる場所と十分な時間を確保してください。できる限り気分を落ち着かせましょう。散歩をし、深呼吸をし、祈ります。聴く準備をしてください。「聴く」とは、自分は全く喋らないことを意味しますよ。会話の導入のために少し話し、いくつかの質問をしたら、そのあとはひたすら聴くのです。

まず「率直さ」から始めます。

「あなたが新しい任務で素晴らしい仕事ができるよう可能な限りの手助けをするのが私の役割です。それが最も重要なことです。」

  • 嫌な思いをさせてしまったようで、ごめんなさい。
  • 嫌な思いをしているということを私に伝えづらかったようで、ごめんなさい。
  • 私はあなたのこと、そしてあなたの成功を本当に気にかけています。

そして「探求心」に移ります:

  • 私が何をしたのか理解するのを手伝ってください。
  • 今後、必要な指示をどうしたらあなたが受け入れやすくなるか教えてください。
  • あなたが私を信頼できるようになるために私は何ができますか?

LKが言っていることをあなたがどう理解したかを、LKと共有するようにしてください。あなたが本当に聴いているのだと彼女がわかるだけでなく、あなたがLKの言い分を正しく理解していることを確認するためでもあります。うまくいけば、前に進むために今後お互いが気を付けるべきことを約束し合えるでしょう。

あなた、もしくは彼女が安心して話せない状況だと感じた場合、または何らかの根深い問題があると思われる場合は、人事部の誰かに話し合いに同席してもらうよう依頼するのがよいでしょう。対策の見極めをするときは、安全かつ妥当な対策を採択しましょう。もし本当に彼女のメンタルが不調を期していて、仕事をするのも難しいのであれば、とるべき策は明らかです。または、何か大きな誤解をしていたことが判明した場合、あなたとLKは仲直りができて、めでたし、めでたし。後日、この一件は笑い話となることでしょう。

マネジャーの仕事って面白くありませんか?もうマスターしたと思う頃に、ガーン!まだ学ぶことがあることを思い知らされるのですから。

マドレーヌより

注:「Conversational Capacity」プログラムの日本語版はありませんが、同じ会話モデルが、「チームリーダーシップ」プログラム(リンク)で学ぶことができます。

記事原文はこちら

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