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ケン・ブランチャード社からの最新情報リーダーシップ・部下育成

いつ、どうコーチングすべきか

マネジャーと部下の定期的な1on1*(ワンオンワン)を推奨する企業が増えています。しかし、「部下と1対1で何を話し合ったらよいのか悩ましい」というマネジャーからの声も聞きます。具体的には、「最初のうちは、初めて聞く部下のプライベートで盛り上がったが、そのうち、話すネタがなくなった」とか、「プライベートなことを話したくない部下もいる」とか、「業務の話をしていると、いつもの打ち合わせのようになってしまう」とかいったような声です。

ケン・ブランチャード社のコーチングサービスの責任者であるマドレーヌ・ホーマン・ブランチャード氏は、長年にわたり多くの企業でマネジャーのコーチング力強化に携わってきました。そのマドレーヌが、部下との会話において必要な、パフォーマンス・マネジメントとコーチングスキルについて語ります。


従業員は、日々の職場で、自分の持てる力を最大限に発揮しなければなりません。同時に、マネジャーには、従業員の意欲を維持させ、成長を促進することが期待されています。その期待に応えるには、マネジャーに優れたコーチングスキルが必要です。

正解がひとつではないような課題に部下が直面したとき、マネジャーがコーチングスキルに長けていれば、有効な手助けができます。このようなマネジャーは、部下が自分の仕事の全体像に目を向け、やるべきことに優先順位をつけることを支援し、それらをするのに必要な「安全な環境」の作り方を身に付けています。また、余計な口出しをせず良い質問をすることで、部下が自分の声を聞き、自分の答えを見つける手助けをする方法も習得しています。このような接し方が、リーダーとしてできる最善の行動であることがままあります。

ただ、こうしたスキルを自社のマネジャーに習得させたいと言うクライアントに対し、私はまず、「今どのようにパフォーマンスを管理していますか?」と質問するようにしています。

この質問をするのは、そもそも、組織が明確な目標を設定し、基本的なパフォーマンスに関するフィードバックを従業員に提供する仕組みを有しているかどうかが大前提として重要だからです。

クライアント企業から 「コーチング・カルチャーを社内に醸成したい」と相談されるとき、多くの場合、彼らが思い描いているのは実は「従業員に明確な目標を持たせ、責任を持たせ、良い仕事とは何かを理解させ、良い仕事をするために必要なものを必要なときに手に入れられる文化」なのです。非常に重要なポイントですが、それはコーチングではなく、パフォーマンス・マネジメント(業績管理)です。

パフォーマンス・マネジメントを必要としている企業には、ブランチャードのSLII®を勧めています。SLII®では、目標設定、開発レベルの診断、診断結果に応じたリーダーシップスタイルの提供(マッチング)といった基本的なことを学びますが、パフォーマンス・マネジメントを運用する上で役立つと定評があります。

「目標設定、診断、マッチング」がパフォーマンス・マネジメントの基本であり、これらのスキルを習得した上で、コーチングのスキルを積み重ねていくのが有効です。

コーチングをする際には、メンバーが自ら成長したいと思える環境をいかにつくるかが大事です。マネジャーには、そのための考え方、確実なプロセス、そして相応のスキルが必要になります。

誰も語ろうとしないことですが、コーチングスキルの中で最も重要なのは「自己規制」です。それができていれば、ほとんどの人が傾聴のスキルを向上させ、優れた質問をすることを学び、直視すべき現実について勇気をもって話すことができるようになります。

これらのスキルは、パフォーマンス・マネジメントを運用する基盤がすでにできていることを前提とした高度なコーチングスキルです。私がこのことに気づいたのは、コーチングスキルを教え始めて2、3年経った頃でした。「紺のスーツに白い靴下を履いている社員がいたら、どうしたらいいのでしょうか」といった類いの質問を何度も受けたからです。その対処には、高度なコーチングスキルなどは必要なく、要は、明確な指示を与えればよいのです。

マネジャーは、部下に対し、面と向かってタイムリーなフィードバックをすることに臆病になりがちです。しかし、注意深く耳を傾け、適切な質問をしていれば、そこで相手にフィードバックをしても問題が生じることはないでしょう。部下がやるべきことをやっている状況なのであれば、マネジャーはコーチの役割を担い、部下が安心して自分をさらけ出し、色々と試したり、自分を追い込んだり、失敗したりといった環境を作るとよいのです。

このような職場環境づくりは、イノベーションを促進するひとつの方法です。そして、チームの一人ひとりの能力を最大限に引き出す方法でもあります。しかし、メンバーがやるべきことをやっていなかったり、基本的なパフォーマンスを出せていなかったりしているときは、この方法は不適切でしょう。

クライアント企業がコーチングを導入するにふさわしい状況にあることが確認できたなら、私が最初にお伝えするのは、マネジャーがコーチング・マインドセットに移行することの重要性です。次に、コーチングが上手くいく会話の進め方を紹介します。その会話の進め方とは、「繋がる」「特定する」「動かす」「まとめる」の4つのステップで構成されています。

「繋がる」とは、マネジャーが”今ここに”完全に存在し、コーチングをする相手に真に注意を払うことを意味します。「特定する」とは、話し合うべきトピックを明確にし、整理することです。「動かす」とは、次に何をするかという行動ステップを明確にすることです。そして、省略されがちなのが最後のステップの「まとめる」です。このステップでは、何が決定され、どのような行動がとられ、どのような期間で実行されるのかについて、明確な合意を得ます。

次には、コーチングに必要な4つのスキルを紹介します。それは、「聴いて学ぶ」「気づきを引き出す」「真実を伝える」「信頼を表現する」の4つです。

「聴いて学ぶ」は、洗練された聴き方であり、繊細でありながら強力です。聞き逃しがちな問題の核心に耳を傾けることがいかに大切かを気づかせてくれます。「しゃべっているうちは聞くことができない」ということをマネジャーに思い出させ、「W.A.I.T.」と伝えます。 「W.A.I.T.」は Why Am I Talking(なぜ自分がしゃべってしまっているのか)という文章の頭文字であると同時に、「待て」ということでもあります。心を静めて、相手の話をきちんと聞けるように、「W.A.I.T.」と自分に伝えるのです。

「気づきを引き出す」とは、優れた質問をすることです。普通の質問をすることと、優れた質問をすることは、大きく異なります。例えば、「なぜそのようにしたのですか」や「何を考えていたのか教えてください」という質問は、過去を扱い、自分の行動を弁護するのを促すことになります。そうではなく、「どうすれば違った方法をとることができたでしょうか」や「今後、別のアプローチをとるとしたら、どんなアプローチになるでしょうか」と尋ねることをマネジャーに学んでもらいます。このような質問は、新しい可能性や対応策を考えさせ、先を見据えることができます。

「真実を伝える」とは、言うべきことを言う勇気を持つことであり、多くの場合、フィードバックを与えることを意味します。マネジャーが何かを言うときに、その動機や意図を吟味するように教えています。それは相手が耳に入れるべきことなのか、それともマネジャー本人が言いたいだけなのか、よく考えようということです。このスキルは、マネジャーとして、何を伝え、何を伝えないかについて、より良い判断を下す訓練につながります。

意図というものは、不明瞭であることが多いです。「相手に役立つであろう観察結果を伝えるのか」、「相手の行動を変えるよう要求するのか」、それとも「厳しい要求をするのか」といったように、マネジャーに自問自答してもらうようにしています。難しいスキルですが、マネジャーがそれをできるようになるようお手伝いをします。

「信頼を表現する」では、人物とその人物のパフォーマンスを常に区別することが鍵です。「あなたは持って生まれた才能があり、一人の人間として大いに価値がある。しかし、最近のあなたの行動は......」といった言い方が効果的です。こうして、強い信頼関係を築き上げます。

時々、「これらのスキルは基本的過ぎる」といったコメントを耳にします。基本的に見えるかもしれませんが、実際に使ってみると、驚くほどの威力を発揮します。

そもそも、ブランチャードでは、教えるスキルはシンプルであるように努めているのです。シンプルであれば、実践しやすくなるからです。このコーチングスキルでマネジャーを育て効果が出たという実績も数多くあります。「キャリアアップのために、彼・彼女をどのように育てるのか」「部下たちはどのように成長しているのか」「彼らの懸念は何なのか」「彼・彼女が最も興味を持ち、最も情熱を注いでいることは何だろうか」。これらは、今日のマネジャーが自身に問うている事柄です。

グレート・レジグネーション(大離職)時代の到来によって、人々は自分がどこを目指すのか、そして、そこに到達するのに今の所属組織はどのように役立っているのかを真剣に考えるようになりました。優れたパフォーマンス・マネジメントに加えて、コーチングスキルをも身につけているマネジャーは有利です。部下が組織の中でどこを目指したらよいのか計り知れるような会話の仕方を知っているからです。たとえ目指していることが今の職務の役割と関係がなくても、マネジャーが導いてあげることができます。

コーチング的な考え方を有していると、コーチングする権利と、変化をもたらすことができる人、つまり部下から信頼される人になる権利を獲得できます。そのようなマネジャーは、部下が弱音を吐ける場、自分の真実を語れる場、そして、彼らが目指すところにたどり着くための会話ができる場を作ることができるのです。


原文はこちら

※6月14日(火)には無料説明会『1on1で自律型社員を育てる「乗り越えるべき3つの壁とは?」』が開催されます。

ブランチャード・ジャパンは以下のプログラムを提供しています。

・パフォーマンス・マネジメント(業績管理)のための会話ができるようになるSLII®
 - SLII®の公開講座はこちら

・コーチング会話の4つのステップと4つのスキルが学べるコーチング・エッセンシャルズ
 - コーチング・エッセンシャルズの公開講座はこちら

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