ブランチャード事業担当役員ジョンに聞く2022年の振り返りと2023年に向けて
今月号では、ブランチャード・ジャパンの2022年の振り返り並びに2023年の事業展開について、 (株)ピープルフォーカス・コンサルティング(以下PFC)執行役員のジョン・マクナルティに聞きました。(注:ブランチャード・ジャパンはピープルフォーカス・コンサルティングの事業部門のひとつです。)
―ブランチャード事業に携わり始めたのは?
私のPFCへの入社は2001年ですので、PFCが2010年にケン・ブランチャード社と代理店契約を結んだ時から、間接的にはずっと関わってきました。2020年には担当役員として、ブランチャード・ジャパン事業を管掌する立場となりました。、日々の運営を統括するのは事業部長の橋本真であり、私はアドバイザリー的な立場にあります。が、グローバルな案件については直接私が担当しています。現在も、ブランチャードのプログラムをグローバル展開しているふたつの大手企業の案件は私が直接クライアントとやりとりをしながら進めています。
私は20年以上にわたって国内外の多くの企業でリーダーシップ開発の支援をする中で様々なリーダーシップ理論を見てきましたが、SLII®のモデルは群を抜いています。理論として大変しっかりしているのはもちろん、極めて実践的であり、米国でも日本でも十分に通用するものだと確信しています。
―ブランチャード・ジャパンにとって2022年はどんな年でしたか?
2022年について特筆すべきことは4つあります。
第一に、日本においてSLII®の有用性の認知度が広がったことで、多くの企業が新たにブランチャードのプログラムを導入してくださいました。SLII®の売上も前年と比べて約4割増えました。ちなみに、ケン・ブランチャード社のグローバル・パートナー(注:正規代理店のこと)は世界中何十か国にも渡っていますが、日本のビジネス規模は中国に次いで2番目の大きさです。
2番目に特筆すべきことは、C&M方式のセルフ・リーダーシップ・プログラムを導入するクライアントが増えたということです。C&M方式とは、オンラインプラットフォーム上でコミュニティを作り、自習したり、バーチャルでリアルタイムに集合したり、オンライン上で意見交換をしたりしながら、職場を離れることなく一定期間をかけて学ぶラーニング・ジャーニーです。一度に数百人規模の単位で受講することが可能です。
学ぶコンテンツはセルフ・リーダーシップで、受講対象は非管理職層です。受講者は、自らリーダーシップを発揮していくための3つのマインドセットと3つのスキルセットを学び、職場での実践もしていきます。日本でこのプログラムをリリースしたのは2021年ですが、2022年にテイクオフしたという印象です。2022年だけで数千人の若手社員が自発的に行動するためのセルフ・リーダーシップのスキルを身に付けることに貢献できたのは、大変嬉しいです。
3番目としては、「SLII®+(プラス)」という取組みが実を結んだことです。基幹プログラムであるSLII®の導入企業は増えましたが、クライアント企業の組織全体にインパクトを与え、カルチャーを変えるためには、それだけでは十分とは言えません。管理職層だけが単発でSLII®を学ぶのではなく、たとえば、部下側にも同じモデルを学んでもらって、組織内に共通言語を確立する。それによって相乗効果が生まれ、カルチャーの変革にもつながります。ですから、管理職層にはSLII®、非管理職層には「セルフ・リーダーシップ」という組み合わせがとても有効なのです。
また、SLII®を学んだ管理職の方たちが、SLII®のモデルを現場でうまく運用するには、コーチングスキルを合わせて習得することが効果的です。ブランチャードには、「コーチング・エッセンシャルズ」というプログラムもあります。2022年は、「セルフ・リーダーシップ」や「コーチング・エッセンシャルズ」を、SLII®と合わせて導入するクライアント様が増えたことを喜ばしく思っております。
特筆すべき4番目の点は、SLII®認定講師のネットワークが強化されたことです。ブランチャードには、クライアント企業に社内トレーナーを育成するための認定制度や豊富なツールがあり、クライアント企業の中で、社内トレーナーとして活躍されている方が数多くいらっしゃいます。ただ、社内で孤軍奮闘されているケースも少なくありません。そこで、会社を超えて、認定講師同士で経験やノウハウの共有ができる交流の場を定期的に設けるようにしています。
たとえば「SLII®の研修自体の評価はとても高いのだが、会社の風土を変えるまでには至らない。どうしたらいいだろう」という悩みを抱えていらっしゃった方は、先ほど述べたような「セルフ・リーダーシップ」などをプラスして展開している他企業の実例を聞くことでヒントを得られたようです。また、経験の浅い認定講師の方向けには、自信を持って研修をデリバリーできるようになるための練習の機会を設けました。
―では、2023年はどのような年になる見通しでしょうか?そして抱負は?
2023年も、引き続き「C&M方式のセルフ・リーダーシップ」は”推し”と考えています。リモートワークやジョブ型の導入などで、若手社員の自律性を促しつつ、つながりを強化したいというニーズがとても高いからです。また、「SLII®+(プラス)」戦略と認定講師のコミュニティづくりも引き続き行っていきます。
さらには、2023年の2月には、「カンバセーション・キャパシティ」という新しいプログラムをリリース予定です。このプログラムでは、建設的で生産的に対話する方法を学ぶことができます。管理職にも一般社員にも有効なプログラムであり、会話力はすべての仕事の土台となるといっても過言ではありませんから、多くの企業に体験していただきたいと思っています。
そして、米国のケン・ブランチャード社自体も大きく進化する年になります。去年の9月、コロナ禍で中断されていたグローバル・パートナー会議(ケン・ブランチャード社主催)がギリシャで行われ、参加してきました。そこで発表されたのは、ケン・ブランチャード社が今までにも増して新しいテクノロジーを駆使し、先駆的な研修提供方式を開発し、より革新的な研修サービス提供会社になっていくという方針でした。具体的な取り組みについては順次お伝えしていきますが、「これは期待できる!」と興奮する内容でした。もちろん、ケン・ブランチャード社が進化すれば、ブランチャード・ジャパンも一緒に進化していくことになります。
皆さまも是非、期待していてください!
※「SLII® +(プラス)」にご興味ある方はこちら
※「C&M方式セルフ・リーダーシップ」プログラムの説明会についてはこちら
※新プログラム「カンバセーション・キャパシティ」の説明会についてはこちら
HRカンファレンス講演レポート『あの有名企業社員はなぜ自分で考え行動できるのか~自発性を引き出す「エンパワーメント」の3つの鍵~』
11月6日(水)に開催されたHRカンファレンス特別講演『あの有名企業社員はなぜ自分で考え行動できるのか~自発性を引き出す「エンパワーメント」の3つの鍵~』の内容
誰もが恩恵を受ける、エンパワーメントの文化をつくる3つの鍵
リーダーにとって、チームが自律的に動ける組織文化をつくることは、常に重要な課題です。従来の指示型からエンパワーメント型の文化へ変えるには時間と労力がかかりますが
Get the Empowerment Starter Kit
You are probably know Dr. Ken Blanchard, a leadership development icon, and the