お問い合わせ
  1. HOME
  2. リソース
  3. ブログ一覧
  4. 誰もが恩恵を受ける、エンパワーメントの文化をつくる3つの鍵
  • SHARE
  • facebook
  • x
エンパワーメントケン・ブランチャード社からの最新情報リーダーシップ・部下育成

誰もが恩恵を受ける、エンパワーメントの文化をつくる3つの鍵

リーダーにとって、チームが自律的に動ける組織文化をつくることは、常に重要な課題です。従来の指示型からエンパワーメント型の文化へ変えるには時間と労力がかかりますが、その効果は大きいです。この記事では、エンパワーメントを促進する3つの鍵を紹介します。あなたの職場でもその一歩を踏み出してみませんか?


今日のリーダーは、時代特有の様々な課題に直面しており、それについて多くの議論がなされています。例えば、リモートで働くチームを効果的に管理するのに最適なリーダーシップをどのように発揮したらよいか、テクノロジーを駆使してメンバーのエンゲージメントを維持するにはどのような方法があるのか、欧米を中心に離職者が急増する大量離職時代に、優秀な人材が突然辞めてしまった場合にどう対処するかといった課題です。

しかし、何十年も前から存在し、今もなおリーダーにとって重要な課題の1つは、組織の中でいかにエンパワーメントの文化をつくりだすかということです。こうした取り組みは実現するのが難しくもあり、複雑で労力がかかります。しかし、エンパワーメントの文化をつくることは、組織にいるあらゆる関係者にとっても大きな恩恵をもたらします。成功した多くの企業によれば、エンパワーされた主体的なメンバーは、「私が指示したことを、あなたがたやりなさい。」といった従来の階層型の組織における指示的なリーダーシップでは実現できなかった、ポジティブな結果や関係性をつくりだせることが分かりました。メンバーは積極的に関与したいと思うようになり、エンパワーメントの文化がある組織に魅力を感じるようになります。

エンパワーメントに関する誤解

エンパワーメント型の文化への移行段階で、リーダーは効果的なエンパワーメントに関する誤解と格闘しなければいけないことがよくあります。「エンパワーメント」という概念になじみのないマネージャーは、自分が持っているコントロールや権限をすべて手放さないといけないと恐れを抱くかもしれません。また、個々のメンバーも、自分が好き勝手にしてもよいと勘違いしてしまうこともあります。 エンパワーメントの文化では、従来の階層型の文化と比べ、メンバーに結果に対してより高い説明責任(アカウンタビリティ)を求めます。またリーダーには、より迅速で適切な対応が求められます。

エンパワーメントの3つの鍵

アラン・ランドルフ、ジョン・P・カルロス、そして私の共著である『社員の力で最高のチームをつくる―<新版>1分間エンパワーメント』では、リーダーがエンパワーメントを実現する文化へと移行する際に重要な3つの鍵について説明しています。
日本では星野リゾートが「教科書」として取り入れ実践している内容で、この記事では、3つの鍵のポイントを絞ってしぼって紹介しています。詳しく知りたい方は、エンパワーメント・スターターキットもダウンロードの上、あわせてご参照ください。(詳細はこちら

●第1の鍵:すべての社員と情報を共有する
たとえ、それが事業計画や戦略のような特権的で機密性の高いものであっても、組織の運営に必要な情報をメンバーに与えることで、ビジネスにとって効果的な意思決定ができるようになります。メンバーが必要とする事実を伝え、彼らを信頼しているというメッセージを伝えれば、組織の成功に自分が関わっているという手応えを感じてもらうことができます。 メンバーが組織の全体像をもっとよく理解できるようになれば、自分の貢献や行動が組織の様々な側面にどのような影響を及ぼすのかを理解できるようになります。「正確な情報を持っていなければ、責任ある行動がとれない。正確な情報を持っていれば、責任ある行動をとらざるを得なくなる。」というフレーズがすべてを物語っていると言えるでしょう。

●第2の鍵:境界線によって、自律的な働き方を促す
このフレーズを初めて聞くと、多くの人が戸惑います。境界線という枠や縛りがある中で、どうやって自律的に働くことができるとのでしょうか? 答えは簡単です!田園地帯を縫うように流れる川を思い浮かべてみてください。両岸に土手があっても、川の水はスムーズに流れていきます。土手という「境界線」が川を最終目的地である海へと導いています。もし土手がなければ、川の水は行く当てもなくただの大きな水たまりになってしまうでしょう。

エンパワーメントも同様です。目的、価値観、イメージ、目標、役割やプロセス、組織構造やシステムといった「境界線」を明確にすることで、そのメンバーのスキルレベルに応じて、どこまで自律的に動くことができ、どの範囲までの責任を担うのかを示すことができます。例えば、予算策定のスキルが不足しているメンバーに対して、エンパワーメントの文化では、より大きな責任を与える前に、「支出限度額」を設定し、ここまでは自分で判断して対応してもよいという境界線を示すのです。
また、メンバーがより自律的に働くための研修やスキル開発の機会を提供します。重要な財務上の意思決定の責任が段階的に増えれば、マネージャーはその分、意思決定への関与を減らしていけます。

●第3の鍵:セルフマネジメント・チームを育てる
メンバーは共有された情報や境界線を通じて自律的に働くことを学ぶことで、従来の階層型の組織構造への依存から脱却しなければなりません。
では、従来の階層組織におけるトップからの明確な指示系統やサポートに代わるものは何でしょうか?それは、メンバーが自律的に働き、高度なスキルを持つセルフマネジメント・チームです。

「上司」と「部下」という区分は、もはやビジネス組織において有効ではなく、むしろ成功の妨げになります。今の時代における組織の成功とは、個人とチームの努力にかかっています。エンパワーメント型の組織文化では、マネージャーは、皆で決め、責任を持つという考え方を受け入れ、変化していく体制を整えていく必要があります。

組織文化の変革には時間がかかる

エンパワーメントの実現に至るまでの過程で、マネージャーとメンバーの双方が、組織運営に対する根本的な考え方を見直す必要があります。組織内のあらゆる階層の人々が、新しいスキルを身につけ、自律的に動く個人やチームを意思決定の主体として信頼することを学ぶ必要があります。

エンパワーメントとは、知識、経験、意欲といった個々のメンバーが持つ力を引き出し、最大限に発揮できる組織風土を作ることです。組織文化を変えていくことは、1日にして成らず、決して簡単な道のりではありません。しかし、その努力によってメンバー、マネージャー、経営層、ひいては組織全体の成功や成長にとって、大きな恩恵をもたらします。エンパワーメントが根づいた組織文化へと移行していくことは、時間や労力をかけてでも取り組む価値が十分にあると言えるでしょう。


---------------------------------------------------------------------------
著者について

ケン・ブランチャード博士は、国際的なマネジメント・トレーニング・コンサルティング会社であるブランチャード社の共同設立者兼CSO(Chief Spritual Officer, 最高精神責任者)。『新・1分間マネジャー』の共著者であり、その他にも65冊の著書があります。その総売上部数は2,100万部を超えている


・社員の力で最高のチームをつくる方法「エンパワーメントとSLII®」の無料セミナー詳細はこちら
・エンゲージメントを高める話し合いのスキルを磨くのに最適な「SLII®公開講座」
 バーチャル版はこちら、対面型はこちら

最新の記事はこちら

Get the Empowerment Starter Kit

You are probably know Dr. Ken Blanchard, a leadership development icon, and the

続きを読む→

【事例紹介】自立人材と組織の一体感を実現させた誠晃貿易が取り組んだ「エンパワーメント」とは

エンパワーメント組織づくりをテーマにした先月の無料セミナーでは、ゲストスピーカーから具体的な導入事例やその成果について共有いただきました。参加者は経営者や人事担

続きを読む→

エンパワーメントは「自由にやっていいよ!」と声をかけることではない

最近よく耳にする「エンパワーメント」。ビジネスにおけるエンパワーメントは、組織やチームの各メンバーが自ら判断し、行動し、仕事を進めることができる環境を提供する取

続きを読む→

おすすめ:

おすすめ:

おすすめ:

おすすめ: